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トランプ氏銃撃の容疑者は射撃クラブ会員…高校時代は理数系の成績優秀者で「いじめられていた」

読売新聞 / 2024年7月16日 11時26分

 【ベセルパーク(米ペンシルベニア州)=金子靖志】米共和党のトランプ前大統領がペンシルベニア州での演説中に銃撃された事件で、連邦捜査局(FBI)は14日、現場で射殺されたトーマス・マシュー・クルックス容疑者(20)の車や自宅から爆発物が見つかったと発表した。介護施設で働くなど人となりは少しずつ見えてきたが、死亡しているだけに動機の解明は難航しそうだ。

 容疑者の自宅は演説会場から南に約60キロ・メートル離れた同州ピッツバーグ郊外のベセルパーク。閑静な住宅街で、事件が起きた13日夜、爆発物処理班が容疑者宅に駆けつけ、爆発物を確保した。FBIは単独犯とみており、携帯電話の解析を進めるなどして動機を調べている。

 容疑者が狙撃に使用したとされる殺傷能力の高い半自動小銃「AR15」は容疑者の父親が合法的に購入したものだったという。米ABCニュースは消息筋の話として、容疑者は事件当日、射撃場に行きたいと言って父親から銃を借りたと伝えた。弾丸は最近、自ら購入していたという。

 同州の有権者情報では容疑者は共和党員として登録されていた。地元メディアによると、2021年に民主党系の団体に15ドル(約2400円)を寄付しており、支持政党は判然としない。

 高校時代は理数系科目の成績優秀者として表彰されるなど優等生だった。同級生だったという男性は読売新聞の取材に「昼食時は1人で座っていた。服装をばかにされていじめられていた」と話した。射撃部への入部を希望したものの、拒否されたという。CBSテレビによると、容疑者は地元射撃クラブで少なくとも1年間は会員だった。

 高校卒業後は、地元の短期大学に進学。今年5月に卒業後、自宅近くの介護施設で食事補助員として働いていた。介護施設の担当者は読売新聞の取材に「何の心配もなく仕事をこなしていた。(採用時の)身元調査も問題なかった。我々はショックを受け、悲しんでいる」と答えた。

 銃撃事件ではトランプ氏が右耳を負傷したほか、観覧席にいた男性1人が死亡し、2人が重傷を負った。

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