1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

古江メジャーV 世界を席巻する女子の強さ

読売新聞 / 2024年7月17日 5時0分

 鮮やかな逆転劇は、まるでドラマを見るかのようだった。日本の女子ゴルフ界は近年、強さが際立っている。黄金期を迎えたと言えよう。

 女子ゴルフの古江彩佳選手がアムンディ・エビアン選手権で優勝し、メジャー初制覇を果たした。日本勢のメジャー制覇は男女を通じて5人目となる。

 最終日の終盤、ロングパットを次々と決め、3連続バーディーを奪った。最後はイーグルをもぎ取り、栄冠を手にした。偉業の達成に、心から拍手を送りたい。

 特別な思いのある大会だった。2021年、東京五輪の代表入りを逃し、失意の中でエビアン選手権に出場し、4位に入った。今回もパリ五輪に届かず、悔しさを胸にしまい込んで試合に臨んだ。

 優勝決定時に見せた涙と「パリには行くこともできなかったが、フランスのメジャーで勝てて気持ちを晴らすことができた」という言葉に実感がこもっていた。

 実力者がそろう2000年度生まれの「プラチナ世代」を引っ張る存在だ。身長1メートル53は、米ツアーの中でも、ひときわ小柄だが、精度の高いショットとパットで、安定した強さを誇っている。

 体格を生かして飛距離を稼ぐパワーゴルフ全盛の時代に、卓越した技術で立ち向かっている。スポーツは体の大きさだけではないことを示した。体格に恵まれない他競技の選手たちにも、勇気を届ける勝利だったのではないか。

 日本のゴルフ界は、1977年に樋口久子選手が全米女子プロ選手権に勝って以来、40年以上、メジャー制覇から遠ざかった。しかし、2019年に渋野日向子選手が全英女子オープンを制すると、その後は、せきを切ったように優勝者が相次いでいる。

 特に、女子の躍進は目覚ましい。元世界ランク1位の宮里藍さんにあこがれてゴルフを始めた選手たちの層が厚く、互いに 切磋琢磨 せっさたくましている。そうした状況が、好結果を生んでいるのだろう。

 パリ五輪には、2度の全米女子オープン制覇を果たしている笹生優花選手と、今年の全米女子プロ選手権で2位に入った山下美夢有選手が出場する。日本女子の実力を存分に発揮してもらいたい。

 五輪では、日本のお家芸と言われる柔道やレスリングのほか、陸上のやり投げやフェンシング、卓球などでも、女子選手にメダルの期待がかかる。

 パリ五輪は26日に開幕する。選手たちの活躍から、目が離せない夏になりそうだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください