早稲田実、薄氷の初戦突破…9回同点打延長制す
読売新聞 / 2024年7月17日 5時0分
全国高校野球地方大会は16日、早稲田実(西東京)がタイブレイクの末、逆転で初戦を突破した。鹿児島実(鹿児島)や京都国際(京都)、智弁和歌山(和歌山)も勝ち上がった。金足農(秋田)は2018年夏に甲子園で準優勝して以来となる、秋田大会4強入りを果たした。
早稲田実6―4明大八王子(延長10回タイブレイク)
夏の初戦は難しい。春夏2度の甲子園優勝を誇る早稲田実でさえも、それは変わらない。昨夏の西東京大会4強の明大八王子との「早明戦」なら、なおさらだったろう。鍛えてきたはずの守備が4失策と乱れ、五回までに4失点。大会屈指の強打者として注目される主将の宇野は無安打で「負けパターンだった」と和泉監督は振り返る。
1点のビハインドで迎えた九回、相手は3番手をマウンドに送ってきた。和泉監督は「切り札(の投手)だからこそ、打線がつながれば相手は動揺するはず」と仕掛けた。2番国光が一死から四球を選ぶと、代走の片山が二盗を成功。続く高崎の右前適時打で試合を振り出しに戻した。「警戒されたなか、度胸よくスタートを切ってくれた。あれは大きかった」と得点圏に進んだ片山の盗塁を褒めた。
昨夏までに主力を担った選手は少なく、経験豊富な宇野でさえ「(打席の中で)いろいろ考えすぎた」と初戦の難しさを振り返った。
延長タイブレイクの十回には、途中出場の三沢が決勝の2点打。「苦しい展開で勝ち切れたのは大きい」と和泉監督はうなずき、宇野も「団結力が上がった」。甲子園開場100年の今年、王貞治、荒木大輔、斎藤佑樹ら偉大な先輩が沸かせてきた「WASEDA」のユニホームで、聖地を駆け回るつもりだ。(岡花拓也)
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