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滋賀・大津で大評判「きんし丼」…だし巻き卵の下から、ウナギがのぞいています

読売新聞 / 2024年7月19日 8時43分

 〈これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関〉

 京都と滋賀の境にある逢坂山には平安時代、関所が置かれ、歌人・蝉丸の詠んだ歌が百人一首にある。江戸時代には交通の要衝としてにぎわい、街道沿いに茶屋などが並んだ。

 その一軒が、ウナギ料理「逢坂山かねよ」の始まり。伊勢から京へウナギを運ぶ男が茶屋に立ち寄り、看板娘と恋に落ちて、1872年(明治5年)、店を始めたと伝わる。京阪京津線大谷駅から旧東海道を少し歩くと、店があった。

でっぷりしただし巻き卵、断面はミルフィーユのよう

 名物「きんし丼」(3190円)を頼んだ。でっぷりしただし巻き卵が湯気を上げ、下から、ウナギがのぞく。もとは細く切ったきんし卵だったが、客が待ちきれず、焼いた卵を切らずにのせたところ好評で、その後、徐々に大きくなり、今の卵三つ分のサイズに落ち着いた。薄焼き卵を何層にも重ね、断面はミルフィーユのようだ。

 ウナギは国産。店の庭を流れる山の谷水に2、3日泳がせ臭みを抜く。腹を割いて地焼きにする。

 白米の硬さ、粘りも絶妙。滋賀産を数種類ブレンドしている。村田章太郎社長(60)は「米がすーっと喉を通る」と表現し、こう続けた。「卵を焼く、ウナギを焼く、ご飯を炊く。単純なことだが、どれも100%にこだわり、作業ではなく物づくりと思っている」

 本店では庭を眺めながら、食事ができる。卵、ウナギ、ご飯を一度に口に運んだ時、大正時代に来店した詩人・野口雨情が書き残した歌に納得できた。

 〈 (うなぎ)料理は逢坂山にひびくかねよか日本一〉

こちらもオススメ…鯉の旨煮

 ウナギのほか、コイも食べられる。中でも (うま)煮(1375円)は人気。コイをしょうゆ、砂糖、酒などで煮た郷土料理だ。臭みはなく、海の魚より身がしっかりして食べ応えがある。

 ※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。

 国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。

逢坂山かねよ

 大津市大谷町23の15

 午前11時~午後8時半

 (ラストオーダーは30分前)

 本店(10%のサービス料が必要、木曜定休)と、れすとらん部(火曜定休)がある。不定休あり。

 詳しくはウェブサイトで。

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