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中央大・柴田大地、日本選手権3000m障害で堂々2位…「箱根予選会で日本人トップ狙う」

読売新聞 / 2024年7月17日 10時59分

男子3000メートル障害で2位に食い込んだ中大の柴田大地=三浦邦彦撮影

 パリ五輪代表選考会となった6月末の日本選手権。代表の座には届かなかったが、大舞台を目指した学生ランナーたちも果敢に挑んで見せ場を作った。中でも3000メートル障害で優勝争いを演じて表彰台に立った2年生、5000メートルで闘志あふれる走りを貫いた4年生の走りは、見応えがあった。(編集委員 近藤雄二)

「つぶれても集団の前で勝負」

 日本の頂点に、あと一歩まで近づいたのが、男子3000メートル障害の柴田大地(中大2年)だった。

 3人のトップ集団で突入したラスト1周。優勝候補の青木涼真(ホンダ)を先頭に、三つどもえで水ごうを越えた。大混戦の中、柴田は最終障害で踏み切りが合わず、前の2人に数メートル離された。それでも諦めず、力の限りのスパートを放つと、ゴール前で新家裕太郎(愛三工業)を抜き去り、青木の背中にも迫って2位でゴールを駆け抜けた。

 大一番で8分24秒68の自己ベスト。五輪代表をつかんだ青木と0秒47差の快走に、「世界を見据えて、たとえつぶれても集団の前で勝負しようと思っていた。その通りの走りができて良かった」と笑顔がはじけた。

 5月の関東学生対校選手権(関東インカレ)では8分42秒90の自己新を出したが、順大の村尾雄己(3年)に敗れて2位。「今大会で学生を意識するのはもったいない。せっかく青木さんら世界選手権や五輪に出場した人がいるので、そこを目標に3番を狙った」。関東学生の2番手から、さらに高みを見据え、自己記録を約18秒も更新。一気に日本の2位まで躍進した。

 既に五輪代表を決め、今大会は出場しなかった第一人者、三浦龍司(SUBARU)と同じ京都・洛南高出身。「三浦さんはサンショーを始めたきっかけ。来年の世界選手権に出るため、三浦さんを目標に、もっと上を目指してハードリングなど全てを向上させたい」。ホーム東京での世界選手権へ、夢もふくらんだ。

 今年1月の箱根駅伝では、1年生ながら10区9位と健闘したが、優勝を狙ったチームはまさかの13位。「明日からは駅伝に向かっていくので、チームに勢いをつけたかった。箱根予選会では日本人トップを狙いたい」。成長著しい19歳は、既にエースを担う覚悟だ。

青山学院大・鶴川正也、5000m激走4位

 男子5000メートルで熱い走りを見せたのが、今年の箱根を制した王者青学大の鶴川正也(4年)だった。

 何度も先頭集団から離れそうになった。あと4周で肩が揺れ出し、目をつぶってあえぐ。それでもしぶとく食らいつき、残り600メートルで5人の先頭集団に残った。ラスト150メートルで3位に浮上。最後の直線勝負で鈴木芽吹(トヨタ自動車)に抜かれたが、ガッツあふれる4位入賞だった。

 13分18秒51。6月にマークしたばかりの自己ベストを6秒39更新する、日本人学生歴代2位の好記録だった。「優勝を狙っていたので悔しい。でも、ゴール後にぜんそくの発作が出るくらいめちゃめちゃ追い込めた。また一歩強くなったと思う」と胸を張った。

 眠れるエースだった。熊本・九州学院高で、全国高校駅伝1区区間賞。鳴り物入りで加入した青学大では、チームの屋台骨を担うことが期待されたが、故障が多く、これまで箱根駅伝の出場はなし。大学3大駅伝でも、昨年の出雲6区8位が唯一の実績だった。

 しかし、今季は4月の焼津みなとマラソン(ハーフ)を制すと、5月の関東インカレ2部5000メートルでは留学生を抑えて初優勝。そして、今回の日本選手権で、雌伏の続いた逸材が完全に覚醒したことを証明した。

 「最上級生になって、後輩たちに背中を見てもらっているので、学生では絶対一番を取るつもりだった。(ライバルに対し)これで怖い存在になれた。プレッシャーも与えたと思う」

 今年の箱根で優勝候補だった駒大を寄せつけず圧勝した青学大。その16人の登録メンバーにも入らなかった鶴川の激走は、確かに他校に脅威を与えただろう。また同時に、これから始まる夏場の走り込みに向け、ライバルたちの発奮材料にもなったはずだ。

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