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フェンシング日本女子初の「金」へ、江村美咲はこんな人…男女通じ初の快挙も狙える

読売新聞 / 2024年7月29日 17時49分

 パリオリンピックで、フェンシングの日本女子として初のメダリスト誕生が期待されている。その筆頭は江村美咲(立飛ホールディングス)(25)だ。世界選手権女子サーブル個人で連覇を達成。世界ランキング1位で金メダルに挑む。(デジタル編集部)

 剣で突き合うフルーレ、エペ、「斬り」もあるサーブルと3種目に分かれるフェンシング。江村は、このヨーロッパの剣術をルーツに持つスポーツが、幼少時から身近にあった。それは両親ともフェンシングの選手だったからだろう。父・宏二さんはフルーレで1988年のソウルオリンピックに出場。母もエペの選手で世界選手権に出た経験を持つ超一流選手だ。

 江村は小学生時代にフルーレを始め、中学入学直前にサーブルに転向。JOCエリートアカデミーの選手として競技に励み、15歳で世界選手権に出場するなど早くから頭角を現した。中央大時代の2019年に全日本選手権を連覇した。

 プロ選手として臨んだ東京オリンピックでは個人戦で3回戦敗退、団体5位だったが、才能が大きく花開いたのはその後だ。

 22年7月の世界選手権(カイロ)で日本女子では初となる優勝を達成した。これは15年の男子フルーレ太田雄貴さん以来2人目という快挙だった。翌23年の世界選手権(イタリア・ミラノ)では日本勢初となる連覇を遂げた。

 飛躍の裏にあった意外なエピソードを江村は読売新聞に語っている。「あとちょっとで勝てた」と東京オリンピック後もほとんど休まず練習を続けた結果、翌22年3月頃に気持ちが燃え尽きた状態に。そこで約2週間休みを取り、旅行に行くなどしてスイッチを入れ直したという。また、両親に加え兄や弟のフェンシング歴を紹介。「私のことも、競技のこともよく理解してくれるフェンシング一家」が大きな支えとなっていることを明かした。

 江村の活躍で注目が高まった女子だが、世界選手権とオリンピックの歴史をひもとくと、日本フェンシングの上げ潮の波を作ったのは女子の方が先とも言える。世界選手権の日本初メダルは2007年大会(ロシア・サンクトペテルブルク)の女子フルーレ団体「銅」だった。そのメンバー、菅原智恵子さんは翌年の北京オリンピックの女子フルーレ個人で7位に。個人種目では男女を通じて初の入賞を果たした。

 ただ、その2日後に行われた男子フルーレ個人で太田さんが日本勢初のオリンピックメダルとなる「銀」を獲得。菅原さんは後に「太田君にメダルをかっさらっていかれた」と振り返ったことがあるが、太田さんは一躍、日本フェンシングの象徴になった。オリンピックではその後、12年ロンドン大会のフルーレ団体「銀」、21年東京大会エペ団体「金」、そして、今回の加納虹輝(JAL)のエペ個人「金」と3個のメダルが誕生したが、いずれも男子だった。

 女子サーブルの世界ランキングで1位に君臨する江村は、パリオリンピック日本選手団の旗手の1人に選出された。主将を置かない今回、日本女子の「顔」と言える存在で、「個人、団体で金メダルが目標」と力強い。まずは個人戦で有言実行となれば、太田さんも届かなかった、オリンピックと世界選手権の個人戦で頂点に立つ初の日本人フェンサーとなる。また、オリンピックのフェンシング日本勢で、1大会で複数のメダルを獲得した選手はいない。加納はじめ有望選手の多い男子も含め、団体戦での奮闘も楽しみだ。

女子フルーレ団体は昨年の世界選手権3位

 女子では昨年の世界選手権(イタリア・ミラノ)でフルーレ団体が16年ぶりのメダルを銅で飾った。世界ランキングは4位。また、江村も出場予定のサーブル団体は22年の世界選手権(カイロ)で初メダルとなる銅を獲得している。世界ランキングは8位。

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