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「見て覚える」仕組み解明…前頭葉の一部で活発化を確認、認知症などの病気の研究にも

読売新聞 / 2024年7月17日 18時28分

 目で見た物の形や色を一時的に覚える脳の「視覚記憶」の仕組みをサルで解明したとする研究成果を、量子科学技術研究開発機構などのチームが発表した。認知症など、視覚記憶に障害が起きる病気の研究に役立つ可能性があるという。

 視覚記憶はこれまで、脳の左右にある側頭葉の一部が関わるとされていた。同機構の平林敏行・主幹研究員(神経生理学)らのチームは、サルに図形を見せて数秒間覚えさせ、脳の活動部位を調べる実験を行った。その結果、側頭葉に加え、前頭葉の一部で目の奥にある「 眼窩前頭皮質 がんかぜんとうひしつ」が活発に働くことを発見した。

 この部位の活動を人工的に抑えたサルは、物を見ることはできても、見た図形を当てる実験の正答率が下がった。この部位は意思決定など記憶以外の役割が判明していたが、側頭葉とのネットワークによって視覚情報を一時的に覚える働きがあることを突き止めた。論文は国際科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載された。

大阪公立大の水関健司教授(神経生理学)の話「視覚記憶障害が起きる病気の研究で、標的にすべき脳の領域が判明したことは意義深い。長期記憶や聴覚などで同様の仕組みがあるかの研究が待たれる」

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