九州国際大付の１年・牟礼「真っすぐは狙っていた、初回でも振らないと当たらない」４試合連続で一回に先制打

　全国高校野球地方大会は１７日、３年ぶりの夏の甲子園を目指す作新学院（栃木）は完封勝ちで発進した。今春の岡山県大会を制した倉敷商は競り勝った。３年連続の甲子園を狙う九州国際大付（福岡）は零封勝ち。昨年の代表校では慶応（神奈川）、社（兵庫）などが勝ち上がったが、宮崎学園（宮崎）が姿を消した。

九州国際大付３―０久留米商

　打席から醸し出される雰囲気は、ついこの間まで中学生だったとは思えない。九州国際大付の１年、３番牟礼が観客を驚かせた。

　一回一死一塁、１メートル８０の右の大砲が外角高め直球を振り抜くと、打球は左中間席に飛び込む先制２ランとなった。これで４試合連続で一回に先制打を記録。「真っすぐは狙っていた。初回でも振らないと当たらない」と笑顔を見せた。

　少し、調子を落としていた。元楽天、ヤクルトの楠城祐介監督から「高めを振れ」と助言を受け、その一点に集中。迷いが吹っ切れた。楠城監督は「打撃の指導はちょっと意識すべきことを伝えるだけ」と能力の高さを認める。

　岡山市出身だが、１年生から主軸として活躍した佐倉侠史朗（現ソフトバンク）に憧れて入学した。この日の本塁打で、牟礼は早くも高校通算７本目という。再び現れた強打の１年生が、３年連続の夏の甲子園への道を切り開く。（古島弘章）