1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

「砂漠」と呼ばれた日本の香水市場、若年層で人気に高まり…ファッション感覚で使い分けも

読売新聞 / 2024年7月18日 10時0分

 「香水砂漠」と呼ばれるほど、欧米に比べて売り上げが伸びなかった日本の香水市場が拡大している。コロナ禍を機に、若年層で人気が高まっているためだ。百貨店は売り場を広げ、メーカーも新たなサービスを打ち出すなど顧客開拓を図っている。(岡田実優)

百貨店

 松屋銀座(東京都中央区)の香水売り場で6月下旬、若い女性客らが次々に商品を手にとり、好みの香りを品定めしていた。海外の高級ブランドなど定番商品のほか、トマトやバジルといった食べ物から発想を得たユニークな香水も並ぶ。香りが強すぎない商品を意識的にそろえており、担当者は「個性を表現する手段として香水を購入する若者が多い」と話す。

 同店は2022年夏、売り場を2倍に拡張した。インバウンド(訪日外国人)効果も大きいが、免税分を除いても6月の売り上げは前年同月比で18%増加した。売り場を訪れる客の約4割は男性が占める。

 伊勢丹新宿店(東京都新宿区)も昨秋、売り場を1・5倍に拡張し、5月の売り上げは約2倍に伸びた。調査会社の富士経済によると、国内の香水市場は拡大しており、24年は547億円と、20年より3割以上伸びる見込みだ。今後も成長を続けるとみている。

初心者狙い

 化粧品は、国や地域の文化、生活スタイルに影響されやすい。日本では「香害」という言葉が生まれるほど強いにおいへの抵抗感が強く、香水市場は低迷していた。しかし、コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、気分転換や癒やしとして香水を試す人が増加。数種類の香水をそろえ、ファッション感覚で使い分ける若年層が増えたことも市場拡大の一因になっている。

 マーケティング機関「SHIBUYA109 lab.」の流行調査によると、23年は「香り」に関するキーワードが上位に入った。田辺牧子研究員は「インフルエンサーがSNSで香水の魅力を発信し、若者層が個性を表現するために使うようになった」とみる。

 メーカーも裾野を広げる好機とみており、ポーラ・オルビスホールディングスは毎月定額で香水が届くサービス「ERAM(エラム)」を始めた。オンラインで質問に回答すれば、好みの香水が送られる。

 コーセーは、高級ブランド「コスメデコルテ」で、1本3520円(税込み・15ミリ・リットル)と少量で手頃な商品を扱うことで、香水初心者らの取り込みを図っている。担当者は「香りという体験を通じて、我々のブランドイメージを伝えていきたい」と期待する。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください