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石丸幹二「一番好きなチャップリン映画」…音楽劇ライムライト、老道化師は「等身大なんです」

読売新聞 / 2024年7月18日 15時30分

今春、まつもと市民芸術館の「ゼネラルアートアドバイザー」に就任。「音楽とミュージカル、現代演劇をやってきた人間として上演ラインアップに提案をしていきたい」=野口哲司撮影

 伸びやかな歌声でミュージカル界をリードしてきた石丸幹二が主演する音楽劇「ライムライト」が8月3~18日、東京・日比谷のシアタークリエで上演される。喜劇王チャップリンの傑作映画の舞台版で、3度目の上演となる。(小間井藍子)

 ちょびひげ、山高帽にステッキ。そのイメージが強いチャップリンが珍しく素顔で出演しているのが1952年の映画「ライムライト」だ。「僕らが知っているチャップリンと違って『老い』をさらしている。ストーリーを追っていくうちに一番好きなチャップリン映画になっていた」と石丸は語る。

 舞台版はチャップリン研究家の大野裕之が上演台本を書いた音楽劇で、2015年に初演された。かつて一世を 風靡 ふうびした老道化師カルヴェロ(石丸)は自殺を図ったバレリーナのテリー(朝月希和)を助け、再び舞台に立たせる。テリーから愛を告白されるカルヴェロだったが、彼女に思いを寄せる作曲家ネヴィル(太田基裕)のために身を引き、姿を消してしまう。「せりふ一つ一つが教訓めいている。見る人の年齢や状況によって感じることが変わる作品だと思います」

 「ライムライト」とは照明器具のこと。大野が「スターはスポットライトを浴びるけれども、いつかはそこから立ち去らないといけないという意味が込められている」と言ったのが忘れられないという。「老いている人が老いていないように一生懸命頑張っている姿は、今の自分にとって等身大なんですよ」

 昨年、12年から主演してきたミュージカル「ジキル&ハイド」を、新規参入した柿澤勇人とダブルキャストで演じ、石丸は作品から“卒業”した。「自分にとって『しまい』の作品。最後は音に忠実に歌うことにした。作曲家のフランク・ワイルドホーンは割と『自由に歌って』という人なんだけど。改めて曲の美しさを感じることができた」

 一方で、同作の上演期間中、出番のない日に、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」でハリーを演じる“荒業”を成し遂げ、SNSで話題になった。「劇団(四季)時代の経験が役に立ったのかなと思います」とほほえむ。「僕にとってはチャレンジでしたが、やり終えたときに『できる、できたんだ』と自信にはなりました」

 そうした日々を経ての3度目のライムライト。さらに深みのあるものとなりそうだ。「映画を見直してみたらカルヴェロ、そこまで熱量がないんですよ。でも伝わる。演じている方はがむしゃらです。でも、がむしゃらさを見せずに今だからこそできる『ライムライト』をお見せしたいですね」

 (電)03・3201・7777。

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