米民主党、バイデン氏正式指名の前倒し計画…撤退論の封じ込め狙い８月第１週にも

バイデン大統領＝ＡＰ

　米民主党は１７日、８月中旬の党大会に先立ち、ジョー・バイデン大統領（８１）を大統領選の候補に正式指名する計画を明らかにした。約４０００人の代議員によるオンライン投票を８月第１週に実施する方向で調整する。撤退圧力を受けるバイデン氏に党上下両院幹部らが身を引くよう促したとの報道もあり、候補指名の前倒しは曲折が予想される。

　党全国委員会の幹部であるミネソタ州のティム・ウォルツ知事は記者会見で、今週後半に党の会合でオンライン投票の手続きを議論すると述べた。一部の州で投票用紙に候補者を記載する手続きの期限が近づいていることに触れ、「党大会前に指名を終える必要がある」と語った。早期指名は撤退論の広がりを封じ込める狙いもあるとみられる。

　これに対し、バイデン氏に撤退を求める議員は強く反発している。１７日には下院の有力議員１人が新たに撤退を要求した。

　ＡＢＣニュースは１７日、党上院トップのチャック・シューマー院内総務が１３日にバイデン氏と面会し、選挙戦からの撤退が最善の方法だと伝えたと報じた。党下院トップのハキーム・ジェフリーズ院内総務も同様の考えを伝えたという。

　ＣＮＮによると、党重鎮のナンシー・ペロシ元下院議長はバイデン氏との電話で、バイデン氏が選挙戦を継続すれば下院で民主党が勝利するチャンスをつぶすと伝達したという。大統領選撤退を拒むバイデン氏と周囲の溝が深まっているとみられる。（ワシントン支局　池田慶太）