報徳学園エースの意地、低め徹底して5回無失点
読売新聞 / 2024年7月19日 5時0分
全国高校野球地方大会は18日、今春選抜準優勝の報徳学園(兵庫)と、2年ぶりの夏の甲子園を目指す大阪桐蔭(大阪)は順当に勝ち上がった。青森大会の準々決勝は、青森山田が八戸学院光星との選抜出場校対決で快勝。昨春の選抜を制した山梨学院(山梨)と、昨夏の選手権優勝の慶応(神奈川)はいずれも姿を消した。
報徳学園8―0星陵(7回コールド)
試合前の投球練習で、報徳学園・今朝丸の球は何度もワンバウンドしていた。「コースぎりぎり、低めに丁寧に投げようと思って」。荒れた前回登板の反省を生かし、星陵を相手に5回を1安打無四球で無失点。3戦連続でのコールド勝利を引き寄せた。
11日の2回戦。準優勝した今春の選抜で背負った背番号「10」から「1」に昇格して初のマウンドで、空振り三振への欲が出た。力んで制球が乱れ、5回4失点で途中降板。打線の援護で試合には勝ったが、「1番をもらっておいて、あんな投球しかできないなんて。悔しかった」。連戦が続く夏のエースがどうあるべきか、見つめ直した。
球数を抑えるためテンポよくコースに投げ分けるスタイルを意識しつつ、「(気持ちにも)余力を残せる」と配球に「遊び」を取り入れて幅を持たせた。1週間後のこの日は、低めに直球を投げ込んでゴロを打たせ、初球にカーブを投じるなど意表もついた。同じ5回でも前回は100球を要したが、今回は56球。大角監督も「力任せではない、大人の投球をしてくれた。彼のよさが出た」と目を細めた。
「調子を上げていって、一戦必勝で挑みたい」と今朝丸。2018年を最後に遠ざかる夏の大舞台への挑戦権は、エースの快投にかかっている。(後藤静華)
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