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広がる感染症 基本的な予防策を徹底したい

読売新聞 / 2024年7月19日 5時0分

 この夏、様々な感染症が、それも同時に流行している。手洗いなどの基本的な予防策に緩みが生じていないか。一人ひとりが再点検したい。

 新型コロナウイルスは、7月第1週の時点で1定点医療機関あたりの感染者数が8・07人となり、前週に比べて4割増えた。増加は9週連続だ。沖縄や九州で特に感染拡大が目立っている。

 現在流行している「KP・3」と呼ばれる新たな変異株は、これまでより感染力が強いのが特徴だ。重症化する例も報告されている。今後、夏休みの旅行などで人の動きが活発になるため、さらなる感染の拡大が懸念される。

 このほか、手足や口に発疹ができる手足口病は過去最悪のペースで患者が増えている。夏風邪のヘルパンギーナ、RSウイルスも流行中だ。一人が同時期に複数の感染症にかかる例もあるという。

 コロナ禍では、外出自粛や渡航制限などの対策がとられた結果、人と人との接触が減った。手洗いやマスク着用などの感染対策も徹底されていた。

 それによってコロナ以外の感染症はほとんど流行しなかったが、他方で、病原体に触れて免疫を得る機会が減り、人々の免疫力は低下した。それが今、様々な感染症の流行を招いているのだろう。

 コロナの感染症法上の位置づけは昨年5月に5類となり、社会は平常の姿を取り戻した。だからといってコロナをはじめ感染症がなくなったわけではないことを思い知らされているのが現状だ。

 予防や早期の治療を怠らないようにしてほしい。手洗いやマスク着用など せきエチケットを習慣づけるよう心がけることが大切だ。

 とりわけ心配なのは、致死率が極めて高い劇症型溶血性レンサ球菌(溶連菌)感染症の患者が急増していることだ。

 今年は、6月末までに報告された患者数が1144人にのぼり、過去最多だった昨年1年間の941人をすでに上回っている。

 溶連菌はありふれた細菌で、子供に多い急性咽頭炎の原因になる。ほとんどはのどの痛みなど軽症で済むが、まれに重症化して劇症型を発症すると、手足の 壊死 えしや多臓器不全を引き起こす。

 劇症型は 飛沫 ひまつから感染するほか、手足の傷口から細菌が入ることもある。急激な痛みや腫れの症状があればすぐ受診し、抗菌薬などの治療を受ける必要がある。

 なじみのない病気だけに、国や自治体は感染状況や病気の特徴について周知してもらいたい。

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