手榴弾投げる訓練中の事故、死亡した隊員は「飛散破片に接触の危険性認識せず」…指揮官の適切な指導もなかったと結論
読売新聞 / 2024年7月19日 7時10分
陸上自衛隊の北富士演習場(山梨県)で5月、
事故は5月30日に発生した。隊員がコの字形になった防護壁(高さ約1・1メートル)の内側から約30メートル先の標的に手榴弾を投げた際、爆発した破片が隊員のそばで号令をかける役目だった2曹の首に当たった。
報告書によると、2曹は防護壁の前壁から約2・8メートル後方で、頭を壁よりも低くしてしゃがんでいた。破片の一部は放物線の軌道で飛び散り、前壁を越えて、地面から約80センチの位置にあった2曹の首に当たった。
報告書は2曹が、▽曲線の軌道で飛散した破片に接触する危険性を認識していなかった▽前壁に体をもたれさせて伏せる姿勢をとっていなかった――と認定した。近くにいた指揮官や他の隊員らも2曹と同様に誤って理解していたため、適切な指導ができなかった。
手榴弾を投げた隊員は前壁から約1・3メートルの位置にいて無事だった。
陸自の教本では手榴弾を使う際の安全策について「前壁にもたれて伏せ、速やかに低い姿勢をとる」などと記している。陸自は再発防止策として、教本をわかりやすく改訂してこの動作を徹底させ、手榴弾を投げる訓練の前には動画も視聴させる。
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