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米副大統領候補バンス氏は過激な発言いとわず、投資家・作家として活躍…貧困層から駆け上がった成功体験をトランプ氏評価か

読売新聞 / 2024年7月19日 6時50分

 【ミルウォーキー=田島大志】米共和党の副大統領候補となったJ・D・バンス上院議員(39)は17日の指名受諾演説で、11月の大統領選で勝敗のカギを握る白人労働者層の支持拡大に向けた強い意欲を示した。トランプ前大統領(78)はバンス氏の忠誠心を評価し、白人労働者層出身の経歴と若さに期待している。

 「米国は、権力の中枢から遠く離れて生まれた労働者階級の少年が、次期副大統領として舞台に立つことができる国だ」

 バンス氏は演説でこう語るなど、中国などとの競争激化で製造業が廃れた「ラストベルト」の地域で育った生い立ちの紹介に多くの時間を割いた。

 トランプ氏は2016年の大統領選で白人労働者層を「忘れられた人々」と呼び、エリート層を批判して支持を集めた。白人労働者層は本来は民主党の支持基盤だったが、「ラストベルト」に位置するペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン州で多くがトランプ氏支持に転じ、勝利につながった。今回の選挙でも3州を「最重要州」と位置づけている。

 白人労働者層の悲哀を描いた自叙伝「ヒルビリー・エレジー」がベストセラーとなったバンス氏は、3州での勝利に向けた切り札とも言える。バンス氏は演説で3州に触れ、「『忘れられた地域』の人々に約束する。私は決して忘れない副大統領になる」と誓った。

 米メディアによると、副大統領候補は最終的にバンス氏とマルコ・ルビオ上院議員、ノースダコタ州知事のダグ・バーガム氏の3人に絞られた。ルビオ、バーガム両氏は議員歴1年半のバンス氏に比べ、豊富な政治経験があった。過去の副大統領候補には、大統領と政治的な立場が異なる人が選ばれ、補完する例が多かった。

 そうした中、バンス氏の起用を熱心に説いたのが、長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏らだった。

 トランプ氏は16年の選挙での副大統領候補にインディアナ州知事で伝統的な保守派のマイク・ペンス氏を選んだ。在任中はトランプ氏に忠誠心を示し、議会調整などに奔走したが、21年の米議会占拠事件後に決別した。

 バンス氏は16年の大統領選でトランプ氏批判を繰り広げたことがあるが、その後は「米国第一主義」の信奉者として忠誠を誓っていた。ジュニア氏は17日の党大会で演説し、「我々は肩を並べて戦っている。J・Dはとんでもない副大統領になる」と力説した。

 バンス氏は過激な発言をいとわず、特に外交・安保政策をめぐって物議を醸してきた。ロシアのウクライナ侵略について「ウクライナがどうなろうと知ったことではない」と発言したこともある。この日の演説ではウクライナ問題に触れなかったが、民主党が攻撃材料とするのは必至だ。対応次第では、トランプ氏の足を引っ張るリスクもある。

貧困層から駆け上がる

 J・D・バンス氏は高校卒業後に海兵隊に入り、イラクに派兵された経験がある。その後、エール大法科大学院を修了し、投資家・作家として活躍した。貧困層から駆け上がった成功体験をトランプ氏が評価したとされる。

 カリフォルニア州で投資家として活動し、IT大手との人脈もある。米電気自動車(EV)大手テスラなどを率いるイーロン・マスク氏と関係が深い。マスク氏は今回、直接トランプ氏に電話をかけ、副大統領候補にバンス氏を推したと報じられる。

 弁護士のウーシャ夫人とは、大学院で知り合った。夫人は17日に演説し、「米国が直面する最大の困難を乗り越えた少年は、『アメリカン・ドリーム』のパワフルな例だ」と訴えた。

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