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慶応の夏連覇ならず、桐蔭学園がデータ野球で「宿敵」打ち破り8強…高校野球神奈川大会

読売新聞 / 2024年7月19日 7時34分

桐蔭学園―慶応 慶応を下し、歓喜する桐蔭学園ナイン(18日、平塚球場で)=北川穂高撮影

 夏の高校野球神奈川県大会は18日、4会場で5回戦8試合が行われ、ベスト8が出そろった。第2シードで昨夏全国制覇の慶応は第3シードの桐蔭学園に競り負け、この夏を終えた。第1シードの武相、東海大相模、横浜、向上、第2シードの桐光学園はいずれも危なげなく駒を進めた。強豪校の日大藤沢、ノーシードの横浜隼人も接戦を制した。19日は試合がなく、20日に4会場で準々決勝4試合が予定されている。

桐蔭学園4-2慶応

映像で配球分析、深松風太が九回決勝打

 終盤まで両者譲らぬ展開となった慶応と桐蔭学園の一戦。試合を決定づけたのは、桐蔭学園の深松風太選手(3年)の適時打だった。

 2―2で迎えた九回表、2安打と死球で無死満塁となった場面で打席が回ってきた。直球を強く転がそうと意識した6球目。捉えた内角直球は内野陣の間を抜け、2人が本塁にかえった。塁に到達した時は何が起きたかわからなかったが、決勝点を打ったと理解したとき、「報われた」と喜んだ。

 慶応は2年前に4回戦で敗れた「因縁の相手」。チームは試合前、映像で投手陣の配球を分析した。データ野球は的中し、先発した吉野 栄輝 ひろあき投手(3年)、四回途中から登板したエース小宅雅己投手(2年)をマウンドから引きずり降ろすことに成功した。

 投げてはアンダースローのエース・杉本早由貴投手(3年)が四つの変化球を駆使し、8回途中まで2失点の好投。「相手打者を観察し、苦手とする球やコースに投げ込んだ」と話した。

 慶応の加藤右悟主将(3年)は「初球から内角を攻められたり、スローカーブが投げられたりと打ちにくさがあった」と振り返る。

 4回戦までの全試合を無失点コールドで勝ち進み、宿敵をデータ野球で打ち破った桐蔭学園。25年ぶりの甲子園を目指し、次戦は第1シードの向上戦に挑む。

「もっとみんなと野球がやりたかった」

慶応3年 加藤右悟主将

 いつもの笑顔は消えていた。試合後、スタンドに頭を下げると、そのまま膝から崩れ落ちた。中学からバッテリーを組む小宅雅己投手(2年)に肩を支えられながら、立ち上がるその目には大粒の涙があふれていた。「もう一回甲子園に連れて行きたかった」

 昨夏は2年生ながら主軸を担い、107年ぶりの甲子園優勝に貢献。スタメンのほとんどを3年生が占める中、人懐っこい笑顔で、かわいがられる存在だった。

 新チームでは主将に就任。人としても尊敬していた前主将・大村 昊澄 そらとさんを継ぐとあってプレッシャーも感じた。それでも「僕は僕らしく頑張るので日本一を取ろう」。ナインの前でそう宣言し、スタートした。

 しかし、秋、春ともに準々決勝で敗退。思い描いていた結果とは程遠かった。責任を一心に背負い、考え込むこともあったが、「前向きな姿勢と笑顔」は崩さなかった。

 この日も九回表無死一、二塁のピンチで、マウンドに駆け寄り、鈴木佳門投手(3年)に「最後まで出し切ろう」と笑顔で励ました。

 この夏はたった1人で甲子園に優勝旗を返しに行く。大変なことが多く、長く感じた1年。それでも今感じるのは「もっとみんなと野球がやりたかった」。(北川穂高)

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