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海上自衛隊の潜水手当不正、5300万円に拡大の疑い…4人逮捕も当初は公表せず

読売新聞 / 2024年7月19日 12時49分

 海上自衛隊の潜水士が潜水手当を不正に受給していた問題で、不正受給の総額が当初の公表分より約1000万円多い計約5300万円に上る疑いがあることがわかった。防衛省が19日未明、明らかにした。不正に関わった隊員4人が詐欺容疑などで逮捕されていた事実も当初は公表しておらず、同省の対応に批判が集まりそうだ。

 海自では2022年9月、潜水艦を救助する潜水士が、実際には訓練で潜っていないのに手当を受け取っていた問題が発覚した。その後の調査で同様の事例が多数確認され、防衛省は今月12日に記者会見を開き、関与した74人を同日付で懲戒処分や訓戒などにし、不正受給の総額は約4300万円に上ると発表した。

 同省はこの段階では逮捕者がいた事実を公表していなかったが、18日午後、国会で行われた野党によるヒアリングの場で、担当者が「警務隊も動いており、逮捕者も出ている」と説明した。

 これについて報道各社から問い合わせが相次ぎ、同省は18日夜、74人のうち5人が12日以前に処分されたと訂正発表した。さらに昨年11月、4人が自衛隊の捜査機関・警務隊に詐欺容疑などで逮捕されていたことも明らかにした。4人のうち3人は懲戒免職処分を受けた後、1人は依願退職した後に逮捕された。昨年12月に全員が不起訴(起訴猶予)となった。

 海自の担当者は、全員同じ処分日として発表したことについて、「事務的なミス。何かを 隠蔽 いんぺいする意図は全くなかった」と釈明した。

 同省はさらに19日未明にも記者会見を開き、▽問題が発覚する前に6人が退職し、懲戒処分にできなかった。不正受給額は計約345万円▽8人の処分が決まっておらず、不正受給額は計約700万円の見込み――と明らかにした。

 12日の時点で未処分の隊員がいたことを公表しなかった点について、同省の 三貝哲 みかいさとし・人事教育局長は「(不正の)全てを明らかにするというところに思いが足りなかった」と述べた。

 逮捕者に関する説明をしなかったことは「把握した内容をできるだけ詳しくお知らせすべきだった。反省している」と釈明した。

 三貝局長は、海自隊員に逮捕者がいたことを木原防衛相に報告していなかったことも明らかにした。この判断についても「報告すべきだった」と反省を口にした。

 木原防衛相は19日午前の記者会見で「適切な判断が行われていなかった。国民の皆様に深くおわび申し上げる。逮捕については(19日未明)報告を受けた。公表のあり方については可及的速やかに報告するように指示した」と語った。

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