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「高校スポーツは青春そのもの、苦しいことも楽しんで」バスケ女子日本代表・林咲希選手

読売新聞 / 2024年7月20日 13時30分

日本代表と豪州代表の国際強化試合でシュートを放つ林咲希選手(6月21日、札幌市で)

 全国高校総体(インターハイ)が7月21日から8月20日まで、福岡、佐賀、長崎、大分の北部九州4県を中心に開催される。全国から選手、監督・コーチら約3万6000人が参加する予定で、30競技で熱戦を繰り広げる。開幕を前に、インターハイに2度出場した経験がある福岡県出身のパリ五輪バスケットボール女子日本代表・林咲希選手(29)が「高校スポーツは青春そのもの。苦しいことも楽しんでほしい」と、若きアスリートたちにエールを送った。

一体感にひかれ

 女子バスケットボールの名門・精華女子高(福岡市博多区)で過ごした3年間を「ずっと楽しかったし、すごく成長できた」と振り返る。思い出に残っているのは、強くなるために仲間たちと汗を流した練習の日々だ。

 福岡県糸島市出身。父・豊樹さん(故人)が地元で始めたクラブでミニバスケットボールを始めたものの、中学までは目立った成績を残していたわけではなかった。

 転機となったのは、中学3年のときに参加した精華女子高の練習体験会。トレーニング中心で、ボールを使わない苦しい練習だったにもかかわらず、「みんなで一緒に頑張る雰囲気が、すごくよかった」。熱心に取り組む姿に伸びしろを見いだされ、入学が決まった。

 持ち味の走力がチームのスタイルにはまり、2010年の沖縄インターハイで1年生ながらベンチに座った。ただ、沖縄の暑さ対策で「体育館の窓を閉め切って練習したことくらい」しか記憶になく、「試合に出たかどうかも覚えていない」と笑う。

ゼロから教わる

 技術面で上達していったのはこの頃だ。先輩たちにそれぞれ得意なプレーについて教えを請い、貪欲に吸収していった。今では本人の代名詞となっている正確なシュートも「つま先と膝の向きをそろえるとか、先輩たちからほとんどゼロから教わった」と振り返る。

 バスケットボールに向き合う自覚も芽生えた。3年生のときに出場した2度目のインターハイは、2回戦で敗退。それでも悔しさをばねに人一倍、努力を重ねた。「できないことがあっても、それは新しい課題が見つかったということ。難しいことがあった方が成長できる」。その考えはトッププレーヤーとなった今も変わらない。

 パリ五輪に挑む日本代表の恩塚亨監督が掲げる「走り勝つシューター軍団」は、まさに自身がこれまで積み上げてきたことを体現したようなテーマだ。「運命みたいに私がみんなとやりたかったバスケができている」といい、北部九州インターハイと同時期に開催されるパリ五輪での活躍を誓う。

緊張に勝つコツ

 大舞台に臨むにあたり、緊張に打ち勝つコツがあるという。「観客からの目線を想像して、自分がこの体育館で一番目を引く選手になれたらいいな、と考える。そうすると『やってやろう』という気持ちになる。緊張する人は、そういうイメージでコートに立ってみて」。後輩たちに優しいまなざしでそう呼びかけた。

はやし・さき 1995年生まれ。精華女子高を卒業後に白鴎大に進み、2016年の全日本大学選手権(インカレ)を制した。Wリーグの強豪・JX―ENEOS(現ENEOS)で6シーズンにわたってプレーし、3度のリーグ制覇を経験。富士通に移籍した今季はチームを16年ぶりの日本一に導いた。21年の東京五輪では、日本代表の主力として出場し、「3点シュート」で銀メダル獲得に貢献。今夏のパリ五輪も代表に選ばれた。ポジションはシューティングガード。

2度目の北部九州開催

 北部九州4県を主会場に全国高校総体が開催されるのは、2013年以来2度目。総合開会式は27日に福岡県久留米市の久留米アリーナ(県立久留米スポーツセンター体育館)で開かれ、競技は4県20市町を中心に実施される。

 一方、暑さ対策などのため、サッカー男子は今年から福島県で固定開催となり、沿岸部の楢葉町、広野町にまたがるサッカー施設「Jヴィレッジ」などを使用する。同女子は昨年に引き続き北海道で、セーリング(ヨット)は和歌山県で行われる。

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