「今年こそ」悲願の頂点へ、得意の「内股」磨く…柔道女子57キロ級・本田里来(福岡・敬愛3年)
読売新聞 / 2024年7月20日 13時30分
全国高校総体(インターハイ)には、すでに世界大会で戦ったり、国内トップクラスの舞台で活躍したりしている高校生も出場する。注目選手を紹介する。(緒方裕明)
2023年秋に世界ジュニア選手権女子57キロ級で銀メダルを獲得した逸材は、まだインターハイで優勝したことがない。だからこそ、「今年こそ絶対勝ちたい」と力を込める。
六つ年上の兄の練習に付き添い、物心つく前から道場に足を運んでいた。柔道経験のない両親からはほかのスポーツも勧められたが、「お兄ちゃんがやっているのを見て、楽しそうだった」。5歳の頃、引き寄せられるように畳に立った。
素質はすぐに開花し、小学生の頃は自分より体の大きい男の子を投げたこともあった。中学から柔道女子の強豪・敬愛へ。3年時には全国中学大会を制した。
ただ、高校は挫折からのスタートだった。1年時のインターハイは県予選決勝で敗退。全国の舞台で活躍するチームメートの姿を見て悔しさを募らせた。その時期こそ「自分の原点」となった。昨夏は全国3位だった。なかなか頂点に届かないからこそ「今も練習を頑張れる」と自らを奮い立たせてきた。
たゆまぬ鍛錬は、確実に実を結んでいる。今年3月の全国高校選手権では2連覇を達成。得意の内股は、足技、組み手のパターンが増えたことで威力を増した。「インターハイまでにさらに精度を上げていきたい」。慢心することなく夏の王座を狙う。
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