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セキュリティーソフト世界シェア1位があだ…ウィンドウズ障害、「過去最大規模」の見方も

読売新聞 / 2024年7月20日 6時45分

 米マイクロソフトの基本ソフトウェア(OS)「ウィンドウズ」で19日に発生したシステム障害は、社会システムにも影響を与えた。デジタル技術に過度に依存することの危険性を改めて浮き彫りにした。

 障害は米クラウドストライクによるセキュリティーソフトの更新作業などで生じたとされる。同社はサイバーセキュリティー分野の大手企業だ。2011年の創業で、米南部テキサス州オースティンに本社を置く。米ナスダック市場に上場している。

 米調査会社IDCによると、パソコンやスマートフォンなどの情報をサイバー攻撃から守る「エンドポイントセキュリティー」と呼ばれる分野で、世界トップのシェア(占有率)を持つ。21~22年はシェア約18%で世界1位だった。

 「このソフトはコロナ禍で在宅勤務が広がり、セキュリティー対策の一つとして広く導入が進んだ」(ITジャーナリストの三上洋氏)という。今回の障害では、そのシェアの高さがあだとなった。識者からは過去最大規模のIT障害になるとの見方も出ている。

 調査会社スタットカウンターによれば、ウィンドウズは世界のパソコンの70%に搭載。マイクロソフトのクラウドのシェアも20%を超えており、世界の社会基盤に影響が出たのもこのためだとみられる。特定の1社に依存したシステムやセキュリティー対策はトラブルが起こると、被害が甚大になりかねない。

 企業や公共交通機関では、業務の効率化や人手不足の解消に向けて、デジタル技術やAI(人工知能)の活用が広がる。精細に設計されたシステムも完璧ではない。「システムは生き物のようなもので、完成形はない。欠陥やエラーの発見と改修を繰り返すことは常識だ」(電機大手幹部)という。

国内空港も影響

 成田国際空港会社によると、成田空港では5社で欠航などの影響が出た。

 成田空港を拠点とする格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンの出発カウンター前には、返金を求める乗客らが列を作った。夫婦で大阪に出かける予定だった千葉市の会社員の男性(27)は「これからどうすればいいのか」と落胆していた。

 一方、羽田空港でもシステム障害が発生した。デルタ航空便で家族と米ハワイ・ホノルルに向かう予定のさいたま市の主婦(45)は「飛ぶかどうか分からないと言われた。ホテルも予約しているし、遅れてもいいから、何とか飛んでほしい」と話した。

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