星稜打線「低く強く」大振り修正して大勝…山下監督は「本当は自分たちで気付いてほしかった」

４回、星稜の芦硲が犠飛を放つ

　全国高校野球地方大会は２０日、今春の選抜を制した健大高崎（群馬）は延長タイブレイクの末にサヨナラ勝ち。選抜出場校では、熊本国府（熊本）もサヨナラ勝ちで４強入り、石川大会で星稜、日本航空石川がともに勝ち上がったが、常総学院（茨城）は姿を消した。夏の甲子園３年連続出場を狙った九州国際大付（福岡）も敗れた。２１日には南北海道と秋田、沖縄で代表校が決まる。

星稜１２―１大聖寺実（６回コールド）

　星稜打線は、大聖寺実・南颯の緩い球に大振りが目立っていた。三回までに３得点したが、山下監督は「芯に当たっていないようなスイングが多い」と不満に感じていた。

　四、五回に１番吉田が放った２本の適時打はいずれも低く強い打球だった。六回の中島海の２点打も同様。四～六回で計９得点と修正に成功しても、山下監督は「本当は自分たちで気付いてほしかった」とさらに上を求めた。

　今春の選抜が伏線となっている。優勝した健大高崎に準決勝で１点差負け。部室の、どこからでも見える壁には、その敗戦を伝える新聞が貼られている。この日、２安打１打点の主将、 芦硲 （あしさこ）は「誰一人、あの悔しさは忘れていない」と言い切った。

　１点の重みを痛感した芦硲は「取れる時に取る」と、六回コールド勝ちにも表情を引き締めた。昨秋の明治神宮大会を制し、選抜でも４強入りしたチーム力は、間違いなく全国トップクラス。県勢が一度も立てていない頂点まで、攻め手を緩めるつもりはない。（中村孝）