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「宗教2世」問題受け策定の指針浸透せず、教職員研修の活用12都県市のみ…読売67教委アンケ

読売新聞 / 2024年7月21日 13時0分

文部科学省

 「宗教2世」の問題を受け、国が2022年12月に策定した宗教が絡む児童虐待への「対応指針」について、読売新聞が都道府県と政令市の計67教育委員会に周知状況を尋ねたところ、教職員らの研修で伝えたのは12都県市にとどまることがわかった。国は研修での活用を求めているが、大半は、国からの文書を市町村教委や学校に通知しただけだった。

 宗教が絡む児童虐待は、信教の自由を背景に介入が難しい。厚生労働省は教育現場などを想定し指針を策定。介入すべき事例をQ&A形式で解説し、「教義を理由に学校行事への参加を認めない」ことなどは虐待にあたると明示した。

 子どもと身近に接する教職員は「虐待に気づきやすい」とされ、文部科学省は厚労省の策定直後に教育現場への周知を徹底し、研修でも活用するよう都道府県教委や政令市教委などに通知した。本紙は今年6月、67教委にアンケート文書を送り、メールで回答を得た。

 研修で指針を周知していた教委は茨城、群馬、埼玉、東京、岐阜、岡山、広島の7都県と、千葉、静岡、名古屋、神戸、岡山の5市。岡山県教委は今年3月、児童虐待の対応手引を改訂し、指針の内容を盛り込み、研修で活用しているという。

 周知に関する取り組みを毎年実施しているかを尋ねると、50道府県市教委が「なし」と回答した。

 熊本市教委は、指針を各学校に周知していなかった。担当者は「虐待には普段から適切に対応しており、周知は不要と思った」と釈明。本紙の取材後に各学校に文書を配った。

 こども家庭庁が今春結果を公表した宗教2世への児童虐待に関する実態調査では、全国の小中高校(抽出)に指針への理解度を尋ねた。「内容も含めて理解している」と回答した学校は、小学校23・4%、中学校21・9%、高校17・8%と低い割合だった。

 文科省は今年6月、都道府県、政令市教委の生徒指導担当者を集めた会議で周知徹底を要請。教職員向けオンライン研修を、こども家庭庁などと連携して今夏に実施する。

宗教2世=宗教を信仰する親の意思で入信させられた人たち。教義を背景にした虐待を受けながら親との関係を絶てず、成人後も苦しむ人がいる。

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