米軍関係者の性犯罪、山口県警公表せず「公益上の必要性や被害者プライバシー考慮」…県にも伝えず

山口県警察本部

　米兵らによる性暴力事件が沖縄県に知らされなかった問題で、山口県内では２０２２年に米軍関係者が強制わいせつ容疑で書類送検されたが、国や県警を通じて県に情報提供がなかったことが分かった。村岡知事は１９日の定例記者会見で、「犯罪予防の観点からも関係自治体に適時、適切な情報伝達が必要だ」と述べ、国に対応を求めていく考えを示した。

　山口県警はこの事件を報道発表しておらず、理由について「公益上の必要性や被害者のプライバシーへの影響を考慮した」としている。

　村岡知事は「米軍人などによる性犯罪はあってはならない」と指摘。沖縄県に対しては、政府が５日から、捜査当局が公表しない事件も情報提供する運用を始めたことを踏まえ、同県以外の地域ではどのように取り扱われるのか、国に確認していることを明らかにした。

　今後、国からの回答を受け、米軍基地を抱える都道府県と議論して、国に必要な対応を求めていくという。