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秋田・金足農業、「金農旋風」で準V以来の甲子園へ…オリックス吉田輝星投手の弟・大輝投手が粘投

読売新聞 / 2024年7月22日 12時52分

 第106回全国高校野球選手権大会の秋田県大会は21日、秋田市のさきがけ八橋球場で決勝が行われた。追い上げをみせる秋田商を振り切り、金足農がノーシードから頂点にたどり着いた。夏の甲子園大会出場は「金農旋風」を巻き起こし、準優勝を果たした2018年以来、6年ぶり7度目。8月7日に開幕する全国大会に県代表として臨む。

金足農6―5秋田商

 金足農が、両チーム計29安打の乱打戦を制した。

 金足農は二回、佐藤晃真選手(2年)や高橋佳佑主将(3年)の適時打など5連打で3点を先行した。直後に2点を返されたが、三回に相馬英典選手(同)の本塁打で追加点を挙げた。その後も、相手打線に追い上げられる展開が続いたが、七回に藪田龍人選手(2年)、八回に那須慎之介選手(3年)の適時打でリードを広げた。相馬選手は「勝負所で1本が打ててよかった」と話した。

 吉田大輝投手(2年)は毎回走者を背負ったが、粘りの投球をみせた。1点差に迫られた九回には一死満塁のピンチを招いたが、後続を打ち取り、今大会4回目の完投勝利でチームを頂点に導いた。

 秋田商は金足農を上回る16安打を放ったが、あと1本が出なかった。倉内悠斗選手(3年)は「相手の方が気持ちが上だった」と悔しさをにじませた。

1万5000人詰めかける

 日曜日に行われた好ゲームに今大会最多の約1万5000人の観客が詰めかけ、熱戦を見届けた。

 試合開始の約30分前には、バックネット側からバックスクリーン裏までチケットを買い求める人の行列が続いた。内野席は満席となり、立ち見の人も。外野席も観客で埋まった。金足農の花田晴空選手(3年)は「満員の八橋球場のすごい雰囲気の中、試合ができて良かった」と笑顔だった。

金足農2年 吉田大輝投手

 「死ぬ気で勝ちに行こう」。そんな気持ちでマウンドに上がった。154球を投げ抜き、チームを甲子園出場に導いた。

 兄は2018年の甲子園で準優勝を果たした輝星投手(現オリックス)。小学5年生だった当時、甲子園のアルプススタンドから、強豪校に立ち向かう兄の姿を目に焼きつけた。

 兄の背中を追い、金足農に入学。兄から同じ赤い色のグラブを買ってもらった。昨年秋から「背番号1」をつけると、憧れの存在は目標に変わった。

 今大会は準々決勝まで3試合を完投し、うち2試合は完封。決勝戦前日、兄からは「頑張れ」とLINEで激励され、チームメートから「お前に任せた」と言葉をかけてもらった。相手の強力打線に16安打を許したが、「次を抑えれば、味方が点を取ってくれる」と仲間を信じて投げ続けた。

 九回、一死満塁のピンチの後に最後の打者をスライダーで三振に仕留めてゲームセット。「涙があふれるくらいうれしかった」。マウンド上に集まる仲間と喜びを分かち合った。

 「なかなかアウトを取れなかったが、仲間に助けられた」。仲間に支えられながら、兄が輝いて見えた大舞台に一歩を踏み出す。(橋立大駿)

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