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トイアンナさん『弱者男性1500万人時代』 生きづらさをデータで可視化

読売新聞 / 2024年7月22日 11時30分

 社会的立場に悩み、生きづらさを感じる男性をデータに基づいて考察した、『弱者男性1500万人時代』(扶桑社新書)を、ライターのトイアンナさん(36)=写真=が刊行した。

 トイさんは、これまでイメージで語られがちだった「弱者男性」と呼ばれる人々の実態を可視化しようと、アンケートや統計学などの手法を用いた。インターネット上のアンケートでは、「多重債務者の家族」「引きこもり」「貧困」「コミュニケーション弱者」など16項目を設け、一つでも当てはまると自認すれば、「弱者男性」と定義した。トイさんは「一つしか持っていないのはまれで、多くの場合、複数の属性を併せ持つ」と指摘する。

 調査を基に、経済政策などを研究する池田真介・小樽商科大教授が推計を行い、日本で「弱者」になり得る男性が最大1500万人程度いることを明らかにした。

 トイさんの聞き取りに、ある男性は、「男は、つらいと言ったら消されるんです。その世界に存在しないことになってしまう」と語った。トイさんは「男性の弱さが露呈した時に、『つらいね』って言ってくれる人がいないことに気づいた」と話す。「男性たるもの、一家の大黒柱になるだけの稼ぎを持つべきだ。男性たるもの、苦難に襲われても自分で何とかすべき」だという古い価値観が、今も男性の生き方に影響を与えているという。

 本書では、行政による生活保護、カウンセリング、医療などの支援を受けるため、「弱者男性」が助けを求めやすい社会作りが重要だと主張する。トイさんは、「弱者男性について、まずはそういう存在があることを理解してほしい」と話している。(前田啓介)

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