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「根っこにあるのは小さな頃からラジオで聞いた上方落語のノリ」……児童文学のベテランが、ほら話シリーズの新刊

読売新聞 / 2024年7月29日 15時20分

「いいわけはつづくよどこまでも」岡田淳さん(77)

 くしゃみを極め過ぎて島流しになり、遅刻した同級生はとんでもない言い訳をして……と奇想天外な話を次々と繰り出すおじいちゃんと孫が関西弁で会話を繰り広げる「おじいちゃんのほら話」シリーズの4作目を刊行した。「根っこにあるのは、小さい頃からラジオで聞いていた上方落語のノリ」だ。

 「孫はおじいちゃんの話にワクワクさせられたり、あきれさせられたりしながらも、話を盛り上げる相づちを打つんです」と笑う。

 『二分間の冒険』『放課後の時間割』など、子どもにとって身近な学校から不思議な世界への冒険が始まる作品で、人気を集めてきた。背景には、ふるさとの兵庫県西宮市の小学校で、図工教師として勤めてきた経験がある。「学校という狭い世界の中でガチガチになっている子どもたちに、『すぐ近くに別の世界があるかもしれないよ』と言いたい気持ちがずっとある。僕自身、そう思うことが救いであり、楽しみであり、遊びだった」と話す。

 中でも、不思議な森が舞台の「こそあどの森の物語」シリーズは、文章と挿絵も手掛け、今年で開始から30周年を迎える。過去には、神戸市のタウン誌で40年間漫画を連載した。高校で入った演劇部で「作り上げる喜び」を感じて以来、演劇にも取り組んできた。

 「僕は物語、演劇、漫画と分けて考えていない。とにかく何かを作りたい気持ちがあって、プロというよりディレッタント(好事家)なんです」

 今年喜寿を迎えたが、やりたいことはまだまだある。「ずっと漫画、児童文学どちらでもない世界を作れるんじゃないかと思ってきた。そういうことをやってみたい」と声を弾ませた。(偕成社、1320円)金巻有美

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