中国人民銀行、予想外の最優遇貸出金利引き下げ…景気刺激を図る狙いか

中国人民銀行

　中国人民銀行（中央銀行）は２２日、最優遇貸出金利（ＬＰＲ）の５年物と１年物をそれぞれ０・１ポイント引き下げ、３・８５％と３・３５％にした。住宅ローンの指標となる５年物は今年２月以来、優良企業向け融資の指標の１年物は昨年８月以来の引き下げとなる。不動産不況が続いており、二つのＬＰＲを同時に下げて景気刺激を図る。

　ＬＰＲは、人民銀が政策金利と位置づける中期貸出制度（ＭＬＦ）を参考に決まる。今月のＭＬＦは据え置かれており、市場はＬＰＲの引き下げをサプライズと受け止めている。

　今月中旬に発表された中国の４～６月期の経済成長率は前年同期比４・７％増と、１～３月期に比べて０・６ポイント鈍化した。市中銀行による貸し出しも伸びていない。金利引き下げが小幅にとどまり、第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミストは「政策運営は今後も小出しの対応が続く可能性が高く、金融市場は期待と失望を繰り返す展開が続くと予想される」とみている。（中国総局　山下福太郎）