マクロン大統領が選手村訪問「五輪・パラリンピックの開催はフランスの誇りだ」…各国首脳らと「五輪外交」展開へ
読売新聞 / 2024年7月22日 20時52分
【パリ=梁田真樹子】26日に開幕するパリ五輪に合わせ、開催国フランスのマクロン大統領は、来訪する首脳らと積極的に会談する「五輪外交」を展開する。先の国民議会(下院)選挙で自ら率いる与党連合が敗北し、政局が混乱する中、指導力をアピールしたい考えだ。
マクロン氏は22日、パリ郊外の五輪・パラリンピック選手村を訪問し、「準備は万全だ。五輪・パラリンピックを開催できることは、フランスの誇りだ」と語った。
26日の開会式には約110か国・地域の首脳が出席する見通しで、マクロン氏は個別に会談する予定だ。イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領も出席を表明しており、マクロン氏は、パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム主義組織ハマスとの戦闘の停止や人道状況改善に向けた働きかけを行うとみられる。
ロシアの侵略を受けるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、大会期間中に訪仏する可能性も取りざたされている。マクロン氏は、外交分野での存在感は健在だと誇示する場として、五輪の舞台を活用する考えとみられる。
25日は、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長とともにパリで首脳らを招き、教育や雇用の促進といったSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けたスポーツの活用を議論する国際会議を開く。大会スポンサー企業幹部らとも会談し、トップセールスで投資の促進を呼びかける方針だ。
マクロン氏による解散を受けて行われた国民議会選挙は「五輪開幕直前に政局の混乱を招く」(パリ市のアンヌ・イダルゴ市長)と反発を招き、実際、与党連合は敗北した。ガブリエル・アタル首相率いる内閣は総辞職し、余波が続いている。マクロン氏は大会期間中は次期首相を任命しないとみられ、アタル氏や治安管理を担う内相らは暫定的に職務を続けている。内政面では綱渡りが続きそうだ。
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