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米民主党の大統領候補、ハリス氏を推す動き加速…トランプ氏「バイデンより倒しやすい」

読売新聞 / 2024年7月22日 22時22分

米ワシントンのホワイトハウスで発言するバイデン大統領(右)とハリス副大統領(14日)=ロイター

 【ワシントン=池田慶太】11月の米大統領選で再選を目指していた民主党のジョー・バイデン大統領(81)は21日、再選を断念し、選挙戦から撤退すると表明した。精彩を欠いた6月末のテレビ討論会をきっかけに、高齢不安から党内で撤退圧力が強まっていた。後継の大統領候補にはバイデン氏の支持を受けるカマラ・ハリス副大統領(59)が有力視されている。

 再選を目指す大統領の出馬辞退はベトナム戦争中だった1968年のリンドン・ジョンソン大統領(民主党)以来、約56年ぶり。大統領選は、バイデン氏と共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)による2020年選挙の再現から、トランプ氏と新たな民主党候補が争う構図に替わる。

 バイデン氏は21日に発表した声明で、「私が選挙戦から撤退し、大統領として残り任期の職務に集中することは、党と国家にとって最善の利益になると信じている」として、民主党の勝利のため身を引くと明らかにした。今週中に詳細を国民に説明する考えを示した。

 声明では、ハリス氏を副大統領に指名したことを「最善の決断」と振り返り、後継の党候補として「完全な支持」を表明した。

 バイデン氏は党予備選で圧勝しており、8月19~22日にイリノイ州シカゴで開かれる党大会で大統領候補に正式指名される予定だった。バイデン氏の撤退を受け、民主党は後継の選定手続きに着手する。

 バイデン氏の声明を受け、ハリス氏は「大統領の支持を光栄に思う。党の指名を勝ち取るつもりだ」との声明を発表した。

 バイデン氏はオバマ政権で副大統領を2期務めた後、20年の大統領選でトランプ氏を破り歴代最高齢で大統領に就任した。トランプ氏の返り咲きを阻止するため23年に再選を目指すと表明していた。

クリントン氏らがハリス氏を支持

 米民主党ではカマラ・ハリス副大統領を大統領候補に推す動きが加速している。米紙ワシントン・ポストによると、民主党の州知事と上下両院議員の178人がすでにハリス氏への支持を表明した。クリントン元大統領ら有力者も支持を表明している。党内には、黒人、アジア系のハリス氏に初の女性大統領としての期待が集まる一方、他の候補を模索する動きもある。

 一方、トランプ前大統領は自身のSNSで、大統領選からの撤退を表明したバイデン氏を「米史上最悪の大統領だった。大統領に就くべきではなかった」と批判した。CNNのインタビューでは「ハリスはバイデンより倒しやすい」と述べた。トランプ氏は暗殺未遂事件を追い風に党内の結束を固めており、民主党への攻勢を強める構えだ。共和党幹部は、予備選で大統領候補に選んだバイデン氏を差し替える民主党について「米国民の意思を覆そうとしている」と批判している。

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