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3人の女性が違和感を放置せず、水際で食い止めた詐欺被害…かみしめた「対話」の大切さ

読売新聞 / 2024年7月23日 15時58分

 山口県岩国市のコンビニ店や銀行で働く3人の女性が、それぞれの店を訪れた高齢者客への詐欺被害を未然に防いだ。積極的に声をかけ、違和感をそのままにせず丁寧に応対したことが奏功した。3人は岩国署から感謝状を贈られ、詐欺被害を水際で止めるための「対話」の大切さをかみしめた。

 6月2日、ローソン岩国インター店でアルバイトをしていた女子大学生(20)は、70歳代の男性客に思わず「それは詐欺ですよ」と伝えた。「パソコンの修理代金を支払うため5万円分の電子マネーカードを買いたい」と話すからだ。

 「電子マネーカードで修理代金を払うなんて聞いたことがない」と思い、粘り強く警察への相談を勧めた。今月9日の感謝状贈呈式で「被害を止めることができたのは相手がこちらの話を聞いてくれたから。それがうれしい」と振り返った。

 山口銀行岩国南支店で二つの詐欺を防止できたのも、行員が来店者とのやりとりで不審に思ったことがきっかけだった。女性行員(31)は5月30日、60歳代の男性に「SNSで投資の話があった。5万円の振り込みをしたい」と告げられた。6月17日には、別の女性行員(24)が70歳代の女性から「宝くじに当選したというメールが届いたが、どうすればお金がもらえるか」と尋ねられた。

 女性行員2人がともに感じたのは「これは怪しい」。振り込みなどを思いとどまらせるよう説得する一方、上司と連携して警察に相談し、事なきを得た。

 岩国署によると、同署管内の今年1~6月のうそ電話詐欺の認知件数は前年比6件増の11件で、被害金額は1465万円増の1616万円。SNS型投資詐欺とロマンス詐欺の被害は10件の8674万円に上る。

 贈呈式で田中正和署長は謝辞を述べ、「被害防止のためにはお客さんと話をしてもらうことが大切。そうやって水際で被害を止めてくださるのは、皆さんのような方々です」と語った。

 女性行員2人はそれぞれ「声かけをおろそかにしなくて良かった」「これからも声かけをします」と笑顔を見せた。

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