iPS細胞を使った最先端の治療技術、万博で3Dホログラム展示…キラーT細胞が働く様子など再現
読売新聞 / 2024年7月23日 14時0分
iPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使って、血液のがんである白血病や新型コロナウイルス感染症の治療応用を目指す京都大発の新興企業が、治療用に開発した免疫細胞の最先端技術を2025年大阪・関西万博に出展する計画を進めている。治療のイメージをコンピューターグラフィックス(CG)を使って立体化した「3Dホログラム」で展示する方向で検討している。23日午後に発表される。
出展を計画しているのは、京大医生物学研究所の河本宏教授(免疫学)が19年に創業した「リバーセル」(京都市)。河本教授のチームは、様々な細胞に変化するiPS細胞やES細胞(胚性幹細胞)を使って、白血病のがん細胞や新型コロナウイルスの感染細胞を撃退する免疫細胞「キラーT細胞」を大量に作製することに成功した。
25年度には、急性骨髄性白血病の患者10~20人を対象にした医師主導治験を京大病院で開始し、早ければ28年頃の実用化を目指す。
万博への出展は、公益財団法人「大阪産業局」の支援プロジェクトの一環で実現。キラーT細胞ががん細胞などを撃退する様子を再現するという。
河本教授は「iPS細胞などからキラーT細胞を作る技術は、これまでの治療法とは桁違いの効果が出る可能性がある。万博での展示を多くの人に知ってもらうきっかけにしたい」と意気込んでいる。
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