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パーティーで記者と握手したマクロン大統領、「金メダル取る日本人は誰?」の質問に2秒考え回答

読売新聞 / 2024年7月23日 14時24分

握手を交わしながら、各国の記者と懇談するフランスのマクロン大統領。右はブリジット夫人(7月22日、フランス・パリの大統領府で)=深井千弘撮影

 パリ8区、フォーブール・サントノレ通り55番地。フランス共和国大統領が執務するエリゼ宮は、そこにあります。パリオリンピック開幕まであと4日となった22日、世界各国から集まった報道関係者を招き、大統領府主催のレセプションパーティーが行われました。

 トリコロールの国旗がはためく門をくぐり、一同が通されたのは「祝宴の間」。広さ600平方メートルのエリゼ宮最大のパーティールームに、フランス国内外の記者ら300~400人程度が集まりました。政府の要人警護などを担う「共和国衛兵隊」のオーケストラによる演奏に導かれ、エマニュエル・マクロン大統領が登場し、定刻より30分ほど遅れてスタートです。

 ともに登壇した国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長からの祝辞に続き、マクロン大統領がスピーチを始めました。「開会式が行われるセーヌ川は、屋外劇場のようなもので、この大会の核心」「ベルサイユ宮殿で行われる競技があるという点もユニーク」などと今大会の特徴を改めて説明。ロシアによるウクライナ侵略や、イスラエルとイスラム主義組織ハマスとの戦闘を念頭に、「五輪休戦を実現できるよう全力を尽くす。国連も休戦決議を採択しており、様々な取り組みを結集させる」とも述べ、欧州主要国のリーダーとしての決意も示しました。

 英語による10分あまりのスピーチを終えると降壇し、マクロン氏の高校時代の教師だったことで知られるブリジット夫人も交え、記者たちとの懇談です。大統領と直接、言葉を交わす機会をものにしようと長蛇の列ができ、私もそこに加わりました。時間的な制約もあり、全員と話すことはできず、一瞬、私の前を通り過ぎそうになりましたが、「大統領!」と声のトーンを上げて呼びかけると、足を止め、右手を差し出してくれました。想像以上にゴツゴツとした感触の手を握りかえし、わずか一言だけの質問です。「日本から来ました。日本人選手では、誰が金メダルを取ると思いますか」

 2秒ほど考え、マクロン大統領は言いました。「はっきりは分からないけど、柔道でしょう。日本は強いから」。一拍置いて、さらに続けます。「でも、テディもいるからね。テディか、日本人か……どうかな」。テディとは、オリンピックの柔道男子100キロ超級で2度の金を含む3度のメダルを獲得したフランスの国民的ヒーロー、テディ・リネール。日本と、それ以上の柔道大国とも言われるフランスとの頂上決戦に思いをはせ、笑顔を見せてくれました。

 一国のかじ取り役を担う多忙の身にもかかわらず、1時間以上にわたって、きさくに各国の記者らと懇談したマクロン大統領。そのホスピタリティーが大会を成功に導いてくれることを願わずにはいられませんでした。(デジタル編集部 深井千弘)

 パリオリンピックを巡る様々な話題を、ユニークな視点で随時お届けするコーナーです。

ふかい・ゆきひろ 1977年生まれ。2000年に入社し、地方支局や運動部などを経て、2022年からデジタル編集部。オリンピックの取材は3年前の東京大会に続いて2度目。好きなフランス映画は「最強のふたり」。

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