1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

介護福祉士の国家試験制度を大幅見直しへ…外国人材増やす狙い、試験問題を3分割

読売新聞 / 2024年7月23日 15時0分

 厚生労働省は、介護福祉士の国家試験制度を大幅に見直す方針を固めた。試験問題を3分割し、翌年度に再受験する場合は、合格基準に満たなかった分野のみを受ければ済むようにする。高齢者数がほぼピークを迎える2040年に向け、働きながら資格取得を目指す外国人らが受験しやすい環境を整え、介護の専門職を増やす狙いだ。25年度からの実施を目指す。

 試験は年1回行われ、「認知症の理解」「コミュニケーション技術」など13科目の知識をマークシート形式で問われる。合格には、全125問のうち約6割を正解することなどが必要だ。

 見直しでは、試験の13科目を3分野に分け、初年度に合格した分野の試験を免除。受験者は、次年度に向けて、不合格になった分野の勉強だけに集中できる。このため、働きながら再受験する外国人の合格率アップが見込まれる。

 この見直しで期待されるのが、現在は約1万人いる外国人介護福祉士の増加だ。「特定技能」や「技能実習」の在留資格を持ち、介護施設などで働く外国人は計約4万3000人おり、現場で3年働くと受験できる。

 合格して介護福祉士になれば、在留期間の更新回数に制限がなくなり、家族も呼び寄せられるため、本人と職場の双方にとってメリットは大きい。有資格者には手当がつく施設が多く、給与アップも期待できる。

 ただ、特定技能や技能実習の外国人が滞在できるのは最長5年で、3年の実務経験を経て受験できるのは2回だ。受験には250時間ほどの勉強が必要とされ、「仕事との両立は大変だ」との声がある。専門学校で学ぶ外国人留学生でも合格率は4割弱と、全体の合格率(8割)を大きく下回る。

 厚労省によると、介護職員は22年度に215万人いるが、40年度には272万人の人材が必要になり、57万人が不足する見通しだ。

 名古屋市立大の吉田輝美教授(社会福祉学)は「在留期間中に合格できなかった外国人の救済・支援策として、再受験の希望者には、滞在期間を特例的に1年延長するといった対応も考えてほしい」と指摘する。

 ◆介護福祉士=高齢者や障害者を介護する技術と知識を身につけた専門職で、特別養護老人ホームなどの現場で中心的な役割を担う。1987年に資格が創設され、登録者数は約194万人。今年1月の試験の受験者は約7万4600人で、10年前から半減した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください