ＹＫＫＡＰの「防火建材」玄関扉で不正試験、大臣認定取り消し…マンションなど１１７棟に設置

国土交通省

　国土交通省は２３日、建材大手ＹＫＫＡＰ（東京）が製造し、防火建材として大臣認定を取得した集合住宅用の玄関扉について、製品と異なるサンプルで試験を受けたとして、認定を取り消したと発表した。この扉は全国のマンションなど１１７棟に９８１枚あり、同省は同社に改修するよう指示した。

　問題の扉はスチール製で、採光用の細長いガラス窓が埋め込まれている。１９９６～２００７年に販売後、大臣認定の申請内容と販売済み製品とで仕様が異なることが明らかになり、０８年に製品と同じ仕様で試験を受け、認定を取り直した。

　ところが、実際にはこの試験で、ガラス窓を固定する部分について、製品と異なる構造のサンプルが使われていたことが２３～２４年の同社の調査で判明。同社によると、当時の担当者は「試験を通過するため、防火性能を向上させた」と不正を認めた。問題の扉について、防火上のトラブルは起きていないという。