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ガザで負傷した子供の受け入れ治療、ドイツが保護者の入国拒む…イスラエルへ過度の配慮か

読売新聞 / 2024年7月23日 22時0分

ドイツ国旗=ロイター

 【ベルリン=中西賢司】イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザで負傷した子供の受け入れ治療を巡り、ドイツ政府が「治安上の懸念」から付き添いの保護者の入国を拒んでいる。渡航が宙に浮く間に命を落とす子供もおり、「冷淡すぎる」と批判を招いている。

 独有力紙「フランクフルター・アルゲマイネ」などによると、今年3月、ガザの子供を支援する国際NGOの依頼を受け、ドイツ人医師らが無償で治療する施設を探し、患者32人分の医療機関や宿泊先を確保した。だが、受け入れを協議した外務省と内務省は12歳未満がひとりで訪独することは認めるとしつつ、保護者の査証発給を拒んだため渡航は棚上げになった。

 協議に関わった医師の一人は同紙に「(政府は)テロリストが紛れ込むかもしれないとの懸念が強すぎた」と語った。

 32人は訪独できていないといい、バイエルン放送は今月22日、このうち7人が時間を浪費しているうちに死亡したと報じた。早期治療を受けていれば、足の切断を免れた少年もいるとの報道もある。

 この間、イタリアやアルジェリア、オマーンなどはガザで負傷した子供の治療目的の入国を受け入れ、治療したという。ナチスによるユダヤ人迫害の歴史を背負うドイツは、ハマスの奇襲を受けたイスラエルを支える姿勢が鮮明だ。ただ、同様にイスラエルの後ろ盾である米国は負傷者の受け入れ実績があり、ドイツのかたくなな姿勢にはイスラエルへの過度な配慮があるといぶかる見方もある。

 ドイツのイスラム系組織「ムスリム調整評議会」は17日の声明で「子供の苦しみに対する衝撃的な冷淡さと無関心を示している」と当局を痛烈に批判した。「政治的配慮に関係なく、必要な援助を提供するのは道徳的義務だ」として受け入れを急ぐよう訴えた。

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