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堀井学・衆院議員、秘書に「代理で参列しても香典は堀井学個人名にするように」再三指示

読売新聞 / 2024年7月24日 5時0分

堀井氏の自宅に捜索に入る東京地検特捜部の係官ら(18日、北海道登別市で)

 堀井学衆院議員(52)(比例北海道、自民離党)の公職選挙法違反事件で、堀井氏が東京地検特捜部の任意の事情聴取に自身名義の香典を有権者に配るよう秘書らに再三指示したと認めていることがわかった。「自分が香典を出したことが相手に伝わる必要があった」という趣旨の説明をしているという。特捜部は堀井氏が違法性を認識した上で配布を主導した疑いが強いとみて、刑事責任追及へ詰めの捜査を進める。

 関係者によると、堀井氏は2012年衆院選に北海道9区(苫小牧市など)から立候補し、初当選して以降、国会出席などで参列できない支援者らの葬儀については、堀井氏名義の香典を秘書や親族に持参させていた。インターネットのスケジュール管理サービスや秘書らをメンバーとするLINEのグループトークで日程を把握した上で、香典配布を指示していたという。

 公選法は、政治家本人が持参する場合を除き、政治家が選挙区内の有権者に香典を渡すことを禁じている。22年2月頃、違法性を懸念して中止を申し出た秘書に対し、堀井氏は「長年の慣例でやってきたことをやめられない」と継続を指示。秘書らは、違法との指摘を避けるため、代理で参列した親族などの名義で香典を渡す運用に変更したが、これを知った堀井氏は「代理で参列しても、堀井学個人名の香典を持参するように」と改めて指示したという。

 特捜部は、同法違反容疑で堀井氏の事務所や自宅を捜索するなどし、LINEの記録や香典を渡した際の領収書などの資料を入手。また、堀井氏からも任意で聴取し、堀井氏は香典の名義を巡る経緯や、違法性の認識などを認めたという。

 堀井氏は12年以降の衆院選は小選挙区で3回連続当選を果たしたが、21年衆院選では立憲民主党候補に小差で敗れ、比例復活していた。特捜部は、堀井氏が支持拡大を図る狙いで、自身名義での香典配布に固執したとみている。

 違法な支出の総額は、枕花を含めると数十万円に上るとみられる。特捜部は時効(3年)にかからない直近の香典配布を中心に、受け取った側の有権者らからも事情を聞くなど裏付け捜査を進めている。

 公選法の「寄付の禁止」に違反した場合の罰則は50万円以下の罰金など。過去には、香典など約80万円相当を配った菅原一秀・元経済産業相(62)、約50万円相当の線香セットを配った小野寺五典・衆院議員(64)がいずれも略式起訴され、罰金40万円の略式命令を受けて公民権が停止された。特捜部は堀井氏についても、略式起訴する方向で検討しているとみられる。

 略式起訴は、書面審理だけで刑を言い渡す略式命令を簡易裁判所に求める刑事手続き。100万円以下の罰金などにあたる比較的軽い事件で、容疑者が同意している場合に行われる。

元秘書、香典は「裏金の一部が原資」

 有権者に配布した香典を巡り、堀井氏の元秘書が特捜部の事情聴取に「派閥からの裏金の一部が原資となっていた」と説明していたこともわかった。

 安倍派のパーティー収入を巡る政治資金規正法違反事件で、堀井氏側は18~21年、派閥から計2196万円のキックバック(還流)を受け、政治資金収支報告書に記載せずに裏金化していたことが判明。裏金は、21年に堀井氏自身が一部にあたる現金約500万円を東京から北海道に移送するなど、地元事務所で管理されていたとされる。

 堀井氏はこれまで、自ら運んだ現金を「秘書から教えられてキックバックの金と知った」とし、「事務所の維持費や支援者との交際費に使った」などと説明している。ただし、2月に20~21年分の裏金1086万円を関連団体の収支報告書に収入として追記する訂正を行った際、支出に同額を計上しつつ、使途は「不明」としていた。

 検察関係者は「収支報告書に記載できないような支出が多かったため、帳簿に載らない『裏金』が必要だったとみることもできる。政治活動や資金管理の実態を解明する必要がある」と話す。一方、事務所の資金管理はずさんだったとみられ、検察内部では、香典や枕花の原資を裏金と特定するのは困難との見方もある。

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