化学大手レゾナック、石油化学事業を分離・独立へ…８月に準備会社設立

　化学大手レゾナックホールディングス（ＨＤ）は２３日、石油化学事業の分離・独立に向け、分割準備会社を８月１日に設立すると発表した。新会社名は「クラサスケミカル」で、２５年１月に分社化し、２～３年後の上場を目指す。

　レゾナックは、大分県の石油化学コンビナートでプラスチックやゴムの原料を生産している。２月に事業の持続的、安定的な運営を行うため、分離・独立を検討すると発表していた。今後は、主力の半導体・電子材料事業に経営資源を集中し、競争力の強化を図る。

　一方、石油化学業界では、安価な製品を大量生産する中国勢との競争が激しく、今後は巨額の資金が必要な脱炭素化への対応なども課題となる。２３日の説明会で、レゾナックは業界再編を含む他社との連携について、現時点で考えていないとの考えを示したが、レゾナックＨＤの真岡朋光取締役常務執行役員は「大きなメリットをもたらす提案があれば、検討することは否定しない」と述べた。