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早大ラグビー部で主将と日本一、残るはメダル…オックスフォード合格へ「最高の実績」目指す

読売新聞 / 2024年7月24日 14時0分

初戦に向けて練習する丸尾選手(中央)(23日、サンドニで)=武藤要撮影

 【サンドニ=蛭川裕太】開会式に先立ち、競技が始まるパリ五輪で、24日(日本時間25日未明)に日本勢の先陣を切るのは7人制男子ラグビー。初出場の丸尾 崇真 たかまさ選手(25)は、メダル獲得と英国の名門大学院の合格という二つの夢の実現を目指し、ピッチに立つ。

楕円 だえん 球を追い始めた小学生の頃、赤黒のジャージーの早稲田大ラグビー部に憧れた。「早稲田で日本一になる」。ラグビーをする目的は、それだけだった。

 入学すると、フォワードの花形「ナンバー8」を任され、3年で日本一に貢献。最終学年は主将として準優勝した。卒業後の進路を考えた時、「情熱を注ぎたいと思うものが、見つからなかった」。

 トップリーグ(現・リーグワン)のチームから、いくつも声がかかったが、断った。商社や銀行、不動産会社……。就職活動をしてみたが、ピンとこない。思い浮かんだのが英国の名門、オックスフォード大の大学院への留学だった。

 早大1年の時、英国遠征でオックスフォード大と対戦し、学業で世界トップレベルの大学に通う選手が、ラグビーでも高みを目指す姿に誇りや品格を感じた。「究極の文武両道に挑戦したい。できないことはないはずだ」と思った。

 卒業した2021年の6月、生まれ育った東京を離れ、海を渡った。現地の学校に通い、勉強を重ねた。英語を上達させるため、途中からはシェアハウスに引っ越した。結果は不合格。目の前が真っ暗になった。「今思えば、根拠のない自信だった」と振り返る。

 出願に必要な英語力の基準は満たしていた。なぜ落ちたのか。自分なりに分析し、自己推薦書の実績が足りなかったという結論にたどり着いた。早稲田大での日本一も、主将という肩書も、「世界から見れば大したことはなかった」。

 合格するため、大きな実績を残せる近道を考えた。「アスリートの誰もが認める頂点、五輪に出場することだ」と思い至った。その確率が一番高い競技として7人制ラグビーを選んだ。

 実績を作り、再び試験に挑戦する――。そんな計画を立て、22年6月に帰国。母校の早稲田実業高で生徒に交じって練習した。知人を通じてクラブチームに参加させてもらい、河川敷でもボールを追いかけた。

 15人制と同じ広さのピッチを、7人で駆け回る。人数が少ない分、それぞれの責任は大きく、やりがいを感じた。身長1メートル85、体重94キロの体格で、足も速い自分に合っていた。

 数か月後の選手発掘プロジェクトに参加し、すぐに代表入りを果たす。「失敗したらどうしようというのは、全く考えない。誰に何を言われようと、自分の信じる道を突き進む」

 「実績作り」で始めた7人制ラグビーだったが、新たな挑戦に日々、成長を実感している。「次にどんな景色が見えるか楽しみで、面白くて仕方がない」

 昨年11月のアジア予選の決勝で、後半ロスタイムに勝ち越しトライを決め、自らの手でパリへの切符をもたらした。チームは初のメダル獲得を目指す。

 五輪では1次リーグ初戦でニュージーランド、2戦目でアイルランド、3戦目で南アフリカと対戦する。「人生は全てのことに意味があり、つながっている。自分を信じてベストを尽くす」。仲間と力を合わせ、人生を切り開くための戦いに挑む。

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