北朝鮮は「トランプ再選」に期待との見方…「金正恩総書記と親しい関係にあった」と朝鮮中央通信

金正恩氏（左）とトランプ氏（２０１８年６月１２日、シンガポールでの米朝首脳会談で）＝ロイター

　【ソウル＝中川孝之】北朝鮮の朝鮮中央通信は２３日の論評記事で、米大統領選の共和党候補にトランプ前大統領が指名されたことを初めて伝え、 金正恩 （キムジョンウン）朝鮮労働党総書記と親しい関係にあったと指摘した。北朝鮮がトランプ氏の再選と米朝交渉の再開に期待しているとの見方が出ている。

　トランプ氏は１８日の指名受諾演説で「私が戻れば、彼とうまくやる。彼も私の復帰を望んでいる」と述べ、正恩氏との非核化を巡る再交渉に意欲を示した。両氏は２０１８～１９年に首脳会談を行ったが、非核化措置を巡って決裂した。

　論評記事は受諾演説に触れ、「（トランプ氏が）首脳間の個人的親交関係をもって、国家間の関係にも反映しようとしたのは事実だが、実質的な肯定的変化はなかった」と振り返った。その上で「朝米対決の秒針が止まるかどうかは、全面的に米国の行動次第だ」と主張した。