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札幌が断念した30年冬季五輪は仏アルプスで、34年は米ソルトレークシティー…IOC決定

読売新聞 / 2024年7月24日 22時35分

30年、34年の冬季五輪の開催地比較

 【パリ=杉野謙太郎】国際オリンピック委員会(IOC)は24日、パリで総会を開き、冬季五輪・パラリンピックの開催地として2030年はフランス・アルプス地方、34年は米ソルトレークシティーを同時に決定した。仏アルプス地方は政府による財政保証が得られておらず、条件付きとなった。首相が署名した上で、仏議会が来年3月までに保証を承認することを求める。

2大会同時決定、冬季では初

 フランスでの冬季大会は1992年のアルベールビル大会以来で、4度目。ソルトレークシティーは2002年大会以来の開催で、米国内では5度目の冬季大会となる。IOCが2大会の開催地を同時決定するのは、17年の総会で、夏季五輪で24年パリ、28年米ロサンゼルスを選んで以来で、冬季五輪では初めて。

 30年大会を巡っては札幌市が招致を進め、一時は最有力とされていたが、東京五輪の汚職・談合事件の影響で市民の支持が得られず、断念した。34年招致への目標変更を模索したが、冬季大会の開催地確保を優先するIOCの候補から外れた。

 なお、IOCはソルトレークシティーとの開催契約に、米国側が世界反ドーピング機関(WADA)やドーピングを規制する現行の仕組みを尊重しない場合、IOCが開催契約を取り消すことができるとの文言を盛り込む異例の対応を取った。米国では、中国の競泳選手らのドーピング疑惑に対する対応を巡り、WADAへの批判が起きていた。

減る雪、開催地早期に確保

 2030年フランス・アルプス地方、34年米ソルトレークシティーの冬季2大会の開催地が同時決定した背景には、気候変動を理由に、冬季大会の開催地を早めに確保したい国際オリンピック委員会(IOC)の思惑がある。

 30年招致の最有力だった札幌市が22年末、市民の不信感を理由に積極的な招致活動を休止すると、昨年に入ってからはフランスなどが次々と候補に浮上した。

 IOCは昨年10月、インド・ムンバイでの総会で、30、34年大会の開催地を同時決定する方針を急きょ承認。翌月の理事会では、仏アルプスと米ソルトレークを開催候補地に絞り込んだ。

 両大会とも、予定通りにパリ五輪直前の総会で開催決定へとこぎ着けた。総会の会場で投票を見守った仏マクロン大統領は、関係者と抱き合って喜び、「我々に寄せられた全ての信頼に感謝したい」と語った。

 近年の気候変動による雪不足は深刻で、冬季大会の候補地は減少傾向。38年大会は、スイスに27年までの優先交渉権がある。札幌市は天然雪が豊富で、将来的には開催地として期待される可能性は残っている。(平地一紀)

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