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夜間の五輪観戦者の需要狙い、宅配代行専用のローソン「からあげクン」販売…「眠眠打破」も品ぞろえ強化

読売新聞 / 2024年7月25日 8時0分

家電量販店では大画面テレビの販売が好調だ(17日、東京都千代田区のビックカメラ有楽町店で)

 パリ五輪が26日に開幕する。開会式に先立ち、24日から一部競技が始まるなど、五輪ムードが高まりつつある。各社は五輪需要を取り込もうと、観戦ツアーや応援グッズの販売、フランスの食品を集めたフェアの実施など五輪商戦を展開している。(鈴木瑠偉、福島春菜)

410万円

 JTBは、テニスや体操など5競技のチケットが付き、五つ星のホテルに宿泊する6泊7日のツアーを販売した。1人約410万円するが、6月中に完売した。担当者は「五輪への高い関心を感じる」と話す。東武トップツアーズも、22種類の観戦ツアーが全て完売した。特定の競技に限定した短期滞在のツアーもある。日本旅行では、陸上競技を観戦する3泊4日のツアーが完売したという。

 旅行会社以外も、大型商戦に工夫を凝らす。現地との時差は7時間あり、多くの競技が日本の夜間に行われる。

 ローソンは、自宅でのテレビ観戦が増えることを想定し、宅配代行サービス専用の「からあげクン」の販売を24日に始めた。カフェインを含む清涼飲料水「眠眠打破」を販売する常盤薬品工業は、サッカー・ワールドカップ(W杯)の日本戦の翌日に売り上げが増えたとして、パリ五輪の期間中も店頭で品ぞろえを強化する方針だ。

経済効果

 テレビの買い替え需要も期待される。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、50型以上の薄型テレビの国内出荷台数は6月まで5か月連続でプラスとなった。地上デジタル放送に完全移行した前後に購入したテレビの買い替え時期とも重なっており、家電量販店は「日本選手のメダルラッシュがあれば買い替えが進む」(ビックカメラ広報)と期待を寄せる。

 スポーツ用品大手のアシックスは、選手らと同じ仕様のシャツや応援グッズのタオルなどを6月から販売している。一部商品は完売したという。スウェーデン選手団の公式ウェアを手掛けるユニクロも選手と共同開発したTシャツなどを販売。普段着としても着られるデザインが好評という。

 イオンは7月26~30日、グループ約7300店舗でフランスにちなんだフェアを開催する。アイガモを使った「パリおにぎり」やワイン、チーズなどのフランス産食品や、ハンドクリームやバッグを販売する。

 第一生命経済研究所の永浜利広氏の試算では、五輪による国内消費押し上げ効果は2560億円と、無観客開催だった21年の東京大会(2476億円)を上回る。ただ、16年のリオデジャネイロ大会(2621億円)は下回る見通しで、永浜氏は「リアルタイムでテレビを視聴する家庭が少なくなっており、大谷翔平選手らの日常的な活躍で、五輪の特別感が薄れている」と指摘する。

大会後

 五輪後を見据えた取り組みもある。カメラ各社は五輪を「最大の見本市」と位置付ける。自社のカメラを持つプロカメラマンの姿が、技術力の裏付けとしてPRされるためだ。

 キヤノンは、ミラーレス一眼カメラで同社初の旗艦モデル「EOS R1」を11月に発売する。激しく動く選手を追尾してピントを合わせる機能を向上させた。会場では、プロカメラマンに100台以上を無償貸与する。ソニーも「α9」シリーズなどを使うプロカメラマンに対する会場での支援体制を拡充した。

 全日本空輸は今夏、パリや独ミュンヘン便を毎日運航に増便する。今秋のパリ便は例年より早く予約が進んでいるという。

 今年上半期の海外旅行者数は、コロナ禍前の19年同期と比べて4割減の水準にとどまっている。ただ、「コロナ禍で冷えた(旅行への)気持ちが少しずつ温まってきている」(全日空の井上慎一社長)として、航空や旅行各社は五輪を海外旅行需要を回復させるきっかけにしたい考えだ。

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