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高機能化進むドライヤー、異例の強気「8万円超」商品も…髪を乾かすだけでない「美髪」効果が武器

読売新聞 / 2024年7月25日 7時45分

 ドライヤーの高機能・高価格化が進んでいる。国内シェア(占有率)トップのパナソニックは、家庭用としては異例となる8万円超の高額商品を新たに投入する。ヘアケアにお金をかける消費者が増える中、メーカー各社は、髪を乾かすだけにとどまらない「美髪」効果を武器に、高価格品に注力している。(高市由希帆)

 パナソニックが9月に発売する新商品「ナノケア アルティメイト」の最上位機種は、市場想定価格が税込み8万5000円前後。現在の最上位機種(同3万9000円前後)の2倍以上という強気の価格設定だ。調査会社のGfKジャパンによると、国内のドライヤーの平均価格(2023年、税抜き)は8600円で、他メーカーの高価格品と比べても突出している。

 開発に5年かけた電極の精密加工技術などを駆使して水分発生量を大幅に高め、髪に潤いを与える効果を向上させた。水分、ミネラル、マイナスイオンの発生量が異なる四つのモードも搭載し、「さらさら」「しっとり」など、好みの仕上がりを選べるようにした。

 シャープが昨年8月に発売した商品は、従来の最上位機種より約8000円高い4万4000円(想定価格・税込み)。独自のイオン発生技術「プラズマクラスター」で摩擦ダメージを減らし、ノズルの四隅から風を出すことで速乾性を高めた。朝の忙しい時間などの“時短”につながるという。この新商品が 牽引 けんいんし、昨年10月~今年3月のドライヤー全体の売上高は、前年同期比2・5倍に伸びた。

 約6000円の手頃なドライヤーを手がけていたI―ne(アイエヌイー)も今年6月、税込み1万3200円の新商品を発売した。

 各社が高級品に注力するのは、物価上昇に伴う節約志向が高まる中でも、ドライヤー市場の伸長が著しいからだ。英調査会社ユーロモニターによると、過去10年の小売販売額ベースの成長率は、家庭用エアコンや洗濯機、冷蔵庫が20~40%程度なのに対し、ドライヤーなどのヘアケア家電は2倍を超える。調査会社の富士経済はドライヤーの国内市場規模は25年に715億円と、19年に比べ93%増え、そのうち3万円以上の製品が4割以上を占めると予測する。

 コロナ禍のマスク生活でもおしゃれを楽しめる「髪」にお金をかける傾向が強まったことが、高級品市場の拡大を後押ししたとの見方もある。

 GfKジャパンの藤巻憲シニアアナリストは「ドライヤーは、髪質の維持向上や時短といった恩恵を消費者が日々実感できることが支持されている。3万円以上の商品は今年上半期も2桁成長しており、今後も堅調に推移するだろう」と指摘する。

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