1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

教員のストレス 過大な業務量の削減が急務だ

読売新聞 / 2024年7月25日 5時0分

 学校現場の業務量の多さが、教員の負担となっている。重要度の低い業務を削減し、効率化を図る必要がある。

 医師の面接指導を要する「高ストレス」の状態にある公立小中高校の教職員が、過去最多の11・7%に上った。公立学校共済組合が労働安全衛生法に基づいて昨年度実施した「ストレスチェック」で判明した。

 うつ病などの精神疾患で休職する教員は年々増加している。ストレスを強く感じている教職員の増加は、これら休職者の「予備軍」とも言える。深刻な状況だ。

 ストレスの要因として、最も多くの教職員が挙げたのは、「事務的な業務量」だった。

 教員には、授業や部活動だけでなく、行事の準備や地域との連携、会議や煩雑な書類の作成など多くの仕事がある。国や教育委員会から求められる統計調査などへの回答も負担が大きい。

 こうした業務を必要性や緊急度に応じて分類し、できるだけ廃止や削減を行ってスリム化すべきだ。各教委や校長がリーダーシップを発揮して、思い切った改革を進めてほしい。

 研修を行うたびに提出を求められる詳細な報告書についても、簡素化などを検討してはどうか。

 熊本県では、教員が担っていた給食費の徴収管理を県で一元化した。山梨県では、学校へ送付される大量の文書を県教委が仕分けして半減させた。こうした事例を参考にしてもらいたい。

 ストレスの要因に「保護者対応」を挙げる教職員が増えているのも見逃せない。夜間に来校して学校への不満を延々とまくし立てたり、教員を自宅に呼びつけて暴言を吐いたりする保護者もいる。

 度を超した要求やクレームには、組織として 毅然 きぜんと対応することも必要だろう。

 保護者対応を巡っては、法的な見地から学校に助言する「スクールロイヤー」や、校長OBらを「学校問題解決支援コーディネーター」として配置する取り組みも広がっている。

 教員の長時間労働が学生らに敬遠されてか、教員のなり手不足も問題となっている。教員の質の確保という観点からも働き方を見直し、優秀な人材が教員を目指す環境を整えることが重要だ。

 教員の本来の仕事は、子供たちの心身の健やかな成長を見守り、支えることである。民間や地域の力も借りながら過大な業務量を減らし、子供たちと向き合う十分な時間を確保したい。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください