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「特殊な警察」皇宮護衛官、現役若手が明かす仕事内容とは「普通の警察は事件の解決目指すが…」

読売新聞 / 2024年7月26日 13時0分

皇宮警察本部吹上護衛署の中野詠心巡査長(25日、皇居で)

 皇室専門の警察である皇宮警察本部。一般の人の目に触れる機会は少なく、職員も警察官でなく皇宮護衛官と呼ばれる特殊な警察だが、乗馬やスキーと様々な特技が生かせる職場なのだという。どういった仕事や魅力があるのか、若手皇宮護衛官に聞いてみた。

「天皇陛下のお客様をお守りするため」

 天皇、皇后両陛下や皇族方が外出される際に一緒に行動して 身辺 (しんぺん)を護衛したり、皇居や皇族方のお住まいがある赤坂御用地を警備したりするのが皇宮警察本部の皇宮護衛官。皇室に関する仕事を専門に行う警察官のような存在だ。

 皇宮警察本部では警察署を「護衛署」と呼ぶ。皇宮警察本部吹上護衛署の皇宮護衛官、中野詠心さん(26)さんは両陛下が暮らされている皇居・ 御所 (ごしょ)周辺を 管轄 (かんかつ)する 吹上 (ふきあげ)護衛署に勤務しており、皇居内をパトカーで巡回して不審者が忍び込んでいないか確認したり、皇居の門に立って出入りする人をチェックしたりしている。「普通の警察は事件の解決を目指すが、皇宮警察は事件やトラブルを未然に防ぐことが最大の目的」と話す。

 護衛官の通常業務に加えて、中野さんは「騎馬隊」にも所属している。新任の外国大使が皇居を訪ね、天皇陛下にあいさつする「 信任状奉呈式 (しんにんじょうほうていしき)」という儀式で、東京駅から皇居に向かう大使が乗る馬車の周囲を馬に乗りながら守ることが任務だ。歩行者や観光客などの注目を浴びて、パレードのような華やかな雰囲気となるが、馬が驚いて予測できない動きをする恐れもあり、高い乗馬の技量が求められる。「天皇陛下のお客様である外国大使を無事にお守りするため、緊張感を絶やさないようにしている」と語る。

 騎馬隊の馬は皇居の中で飼育されており、乗馬の練習場も近くにある。中野さんは年間で200日近くも練習に通うといい、「皇宮護衛官としての仕事の質を高めていくために、これからも乗馬の技量を伸ばす努力を続けたい」と話していた。

(HISTORY)

動物が好きだったため5歳から地元の乗馬クラブに入り、大学を卒業するまで通った。馬に携(たずさ)われる就職先を探していた時に皇宮護衛官を知り、両親が警察官だったこともあって志望した。「乗馬を仕事にすることができ、すごく充実している」と話す。皇宮護衛官は皇室の方々の海外訪問に同行したり、プライベートでスキーをされている時に一緒に滑って護衛したりするため、語学力やスキーなど特殊な技能を求められることもある。「乗馬以外にも、様々な特技を生かして活躍することができる」という。

(中野詠心さんの経歴)

1997年 静岡県浜松市で生まれる

2016年 静岡県立浜北西高校卒業

2020年 静岡文化芸術大学文化政策学部卒業

皇宮護衛官を拝命。吹上護衛署に勤務

2023年 騎馬隊の任務も担当するようになる

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