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サッカー日本代表、狙い通り「ポケット」突き最多得点…8強へ視界良好[編集委員の目]

読売新聞 / 2024年7月25日 6時32分

 パリ五輪の開会式に先立ち24日に行われたサッカー男子1次リーグの日本代表―パラグアイ代表。日本が5-0で大勝し、幸先いいスタートを切った。

すねに入る危険なタックル、レッドカード

 20年前のアテネ五輪でも初戦に対戦して敗れたパラグアイを相手に、これ以上ない展開で、日本が勝利した。先制点は19分。左サイドでボールを受けた斉藤光毅が、前方を走る大畑歩夢へスルーパス。大畑がゴールラインぎりぎりからワンタッチで折り返したボールを三戸舜介が落ち着いて止め、ゴール左へ豪快にたたき込んだ。

 さらに大きかったのは、20分過ぎのプレー。タックルに行ったパラグアイのウィデル・ビエラの足裏が、ボールを持った平河悠のすねに入った。プレーはそのまま続いたが、VAR(ビデオ・アシスタントレフェリー)が介入し、主審がピッチ脇のモニターを見て、危険なタックルだったことを確認。ビエラは一発退場となった。

 足裏を見せての勢いのあるタックルが足首よりも高い位置に入ると、骨折などの大ケガにつながることから、最近は厳しく罰せられることになっており、このレッドカードはしかたのないところ。1点リードのうえ、数的優位に立った日本は、ますます有利になった。

パラグアイ、2点目で意気消沈

 試合を決める待望の2点目が入ったのは63分。ペナルティーエリア内の左サイドでボールを持った斉藤がドリブルでDF1人をかわしてクロス、フリーの三戸がヘディングで押し込んだ。斉藤、三戸は共に欧州のクラブ所属で、日本が五輪出場権を獲得したU―23(23歳以下)アジア杯には出場していなかったが、18人のメンバーに選んだ大岩監督の期待に見事に応えた。

 パラグアイは南米予選で、ここ2大会連続金メダルのブラジルを破って首位突破した実力国。伝統的に守備の粘り強さには定評があるが、この2点目で、完全に意気消沈した。

 日本は途中出場の藤尾翔太の2ゴールなど、さらに3点を追加。男子として12回目の五輪出場で最多の5得点を挙げた。日本は五輪に8大会連続出場中だが、このうち、初戦に勝った4大会ではアトランタ大会を除き、すべて1次リーグを突破している。今後、得失点差の勝負になった場合のことを考えても、この大勝の持つ意味は大きい。

弱点分析の鋭さ生きる

 また、この試合では相手チームの弱点分析の鋭さも目に付いた。三戸が「狙いとしているポケットが取れた」と話したように、ペナルティーエリアの縦のラインとゴールラインの交点近くまでボールを運ぶ日本の攻撃に、パラグアイはDFラインが下がりすぎて、中盤から上がってくる日本の選手をフリーにして、失点を重ねた。

 佐藤 恵允 (けいん)が右サイドからマイナスのクロスを中央に入れ、受けた斉藤がさらに流したボールを山本理仁が得意の左足で決めた69分の3点目も、このポケットを攻めたことが功を奏した。

 主将の藤田譲瑠チマは、FKを頭で合わせた4点目、カウンターで中央を破った5点目も念頭に、「点の取り方にバリエーションがあった」と手応えをつかんだ様子。心配なのは、タックルを受けた後しばらくはプレーを続けたものの、結局担架で運ばれて退いた平河の状態だが、今後に大いに期待が持てる初戦となった。(編集委員 川島健司)

かわしま・けんじ 1963年、東京都生まれ。87年入社。宇都宮支局、地方部を経て91年に運動部。97~2001年にはロンドンを拠点に主に欧州のスポーツを取材。運動部デスク、部長を経て、14年から編集委員。17~21年は、東京オリンピック・パラリンピック準備室長を兼務した。サッカーのワールドカップは2022年カタール大会など男女合わせて計7大会を現地取材。

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