花巻東が競り勝ちＶ…救援・田崎が決勝打、村上主将は美技

８回、花巻東・田崎が勝ち越しの適時３塁打を放つ＝小林晴紀撮影

　全国高校野球地方大会は２５日、岩手大会では花巻東が競り勝ち、昨夏に続いて甲子園切符をつかんだ。鳥取城北（鳥取）はサヨナラ勝ちで、熊本工（熊本）は今春選抜出場の熊本国府を破り、それぞれ甲子園出場を決めた。日本航空石川（石川）や、６大会連続の出場を目指した近江（滋賀）は準決勝で敗れた。

花巻東４―３盛岡大付

　同点とされた直後の八回二死一塁、花巻東の２番手投手田崎が右打席に。打撃を期待される選手ではなかったが、「三振はしないで、何かを起こす」という思いで強振した打球が風にも乗り、右越えの勝ち越し三塁打となった。

　リードを３点として迎えた九回、無死二、三塁のピンチを招いた。しかし「２点取られても良い。アウトを増やす」と、二つの内野ゴロで１点差に迫られたが、二死無走者から三振を奪って逃げ切った。味方の守備を信頼し、「低めに投げる」という自分の持ち味を出し切った投球だった。

　もう一人の立役者は、中堅手の村上だ。六回一死二塁のピンチで左中間へのライナーを好捕。八回には先頭打者が放った右中間への打球をダイビングキャッチ。「素晴らしい守備だった。村上がいなければ負けていた」と、佐々木監督は主将の美技連発を高く評価した。

　花巻東は、昨秋の県大会２回戦で盛岡大付に敗れ、選抜大会出場への望みを早々に絶たれた。「長い冬の期間、この夏の大会に向けて必死にやって来た成果が出た」と村上。その思いは田崎も同じだった。

　悔しい思いで過ごした冬の日々が、２年連続の夏切符に結びついた。（塩見要次郎）

花巻東（岩手）　２年連続１２度目

　◇１９５６年創部。ＯＢに米大リーグ・ドジャースの大谷翔平、ブルージェイズの菊池雄星ら。私立。