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珠洲市・志賀町、水道や液状化の被害大きく復興に「10年超」…能登半島地震・被災自治体への読売アンケート

読売新聞 / 2024年7月26日 9時30分

液状化被害があった新潟市は、対策に時間がかかるとする(16日、新潟市西区で)

 能登半島地震で被災した石川県の珠洲市と志賀町が復興期間を「10年超」とみていることが、読売新聞が行った被災自治体アンケートでわかった。新潟、富山、石川県の7市町も5年超と見込む。いずれも液状化や上下水道などの被害が大きく、「復興に時間がかかるほど人口減が進む」との危機感もある。自治体のマンパワー不足との声もあり、国の一層の支援が必要だ。

 アンケートは、災害救助法の適用を受けた石川県17市町、新潟県14市町、富山県13市町村、福井県3市の計47市町村を対象に6月に書面で実施。全自治体から回答を得た。

 今も多くの倒壊家屋が残る珠洲市は、約750世帯で通水できていない。泉谷満寿裕市長は「道路や上下水道などの本復旧に相当の期間が見込まれる。災害公営住宅の整備もある」とする。志賀町は住宅約7400棟が被災し、農道被害は県内で輪島市の次に多い。稲岡健太郎町長は「町はマンパワー不足。時間がかかる」と述べた。

 復興期間の見通しが「5年超10年以内」は、奥能登の輪島市と能登町のほか、いずれも深刻な液状化被害があった新潟市、富山県氷見市、石川県羽咋市、かほく市、内灘町。「3年超5年以内」は9市町、「1年超3年以内」16市町、「1年以内」12市町村で、1市は「無回答」だった。

 防災科学技術研究所によると、今回の地震で液状化被害が確認されたのは5月末現在、新潟、富山、石川、福井県の計2114か所。熊本地震(1890か所)と阪神大震災(1266か所)を上回った。

 新潟市は住宅1万5000棟超が被災した。5月下旬に始まった公費解体は来年夏頃までかかる見込みで、中原八一市長は「液状化対策を進めるが、非常に時間のかかる大事業だ」と覚悟する。

 今回の地震を契機に富山、石川県の13市町が、人口減少が加速する懸念が「ある」と回答した。氷見市の林正之市長は「復興の遅れが転出につながる」と危惧する。

 全国からの応援派遣職員を要請しているのは21市町村で、このうち輪島市など石川県8市町と富山県3市が「あまり足りていない」とした。土木系の技術職や公費解体に関する事務職のほか、管理栄養士や保健師が不足しているという。

 国への要望(自由記述)は、20市町が財政支援を挙げた。石川県中能登町と富山県砺波市は「住宅の耐震化支援」、福井県あわら市は宅地内の擁壁や小屋など住宅以外の被害に対する支援を求めた。

 2次避難者の受け入れや支援物資の調整役を担った石川県小松市は、避難者の名簿がないことなどで混乱したことから、「ガイドラインやマニュアル等の整備」を要望した。

◆災害救助法=大規模災害時に仮設住宅や支援物資の供与など応急的な救助を行う都道府県に対し、国は都道府県が支出する費用の5~9割を負担する。

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