警察白書、ＳＮＳなどでつながる犯罪集団「トクリュウ」対策強化の方針示す…「極めて憂慮すべき状況」

警察庁

　警察庁は２６日、２０２４年版の警察白書を公表した。治安上の新たな脅威となっている「匿名・流動型犯罪グループ（トクリュウ）」を特集し、対策を強化する方針を改めて示した。

　トクリュウはＳＮＳなどで緩やかにつながる犯罪集団で、特殊詐欺のほか、著名人になりすます「ＳＮＳ型投資詐欺」や恋愛感情を利用する「ロマンス詐欺」への関与が疑われる。白書では「極めて憂慮すべき状況」と指摘した。

　警察庁は今年度から、暴力団対策と同様、事件がトクリュウによるものかを都道府県警が認定する仕組みを導入。詐欺や窃盗など主な「資金獲得型」犯罪によるトクリュウの摘発は４～６月、計８２４人に上り、このうち３割がＳＮＳを通じて事件に関与していた。対策として、トクリュウ捜査のため刑事や生活安全など部門を横断した専従体制を全国に新設した。

　トクリュウは匿名性の高い通信手段を利用するなど手口が巧妙で、白書では「総力を挙げて取り締まりを推進する」と強調した。