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敦賀原発2号機、原子炉建屋直下に活断層の可能性…現行基準で初の「不合格」へ

読売新聞 / 2024年7月26日 17時41分

敦賀原子力発電所(左から1号機、2号機、ふげん)(2023年10月26日、福井県敦賀市で、読売ヘリから)=前田尚紀撮影 

 日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原子力発電所2号機(福井県敦賀市)について、原子力規制委員会の審査チームは26日、原発の安全対策を定めた「新規制基準」に適合していると認められないとの結論をまとめた。2号機の原子炉建屋直下に将来動く可能性がある活断層の存在が否定できないとし、再稼働を事実上認めない判断をした。

 2011年の東京電力福島第一原発事故の教訓を反映した新規制基準では、活断層の真上に原子炉建屋などの重要施設を設置することは認めていない。審査チームは31日、規制委に結論を報告する。規制委は追認する見通しで、その場合、2号機は正式に基準不適合となり、規制委が発足した12年以降初めて審査で「不合格」の原発になる。

 原電は15年11月、敦賀2号機の再稼働に向けた審査を申請した。審査チームは、既に活断層と分かっている「浦底断層」に近く、原子炉建屋の北側約300メートルにある「K断層」に着目。K断層が〈1〉活断層かどうか(活動性)〈2〉原子炉建屋直下まで延びているか(連続性)――が焦点になった。活断層は、新規制基準で約12万~13万年前以降の比較的新しい時代に活動し、今後も活動の恐れがある断層と定義されている。

 原電は掘削調査で観察した火山灰の 堆積 たいせき状況や鉱物の試料から「原子炉直下に活断層はない」と主張してきた。これに対し、審査チームは「(堆積状況が複雑で) 緻密 ちみつな検討は困難」「(試料が)不明瞭で判定できない」などとして原電の主張を退けた。5月には活動性について「否定することは困難」と判断。これに続き26日は連続性についても「否定できない」とした。

 原発などを規制する原子炉等規制法は「不合格」になった原発の再申請を制限していない。ただし、今回の結論を覆す新たな試料や知見がなければ再稼働は認められないことになる。原発は停止中でも維持費が高額なため、原電は廃炉にするか経営判断を迫られる可能性もあるが、この日の審査後、「引き続き敦賀2号機の稼働に向けて取り組む」とのコメントを発表した。

 敦賀2号機を巡っては、規制委の前身である旧原子力安全・保安院の専門家チームが12年、原子炉直下を含む敷地内断層について「活断層の可能性を否定できない」と指摘。規制委の専門家会合も13年と15年、同様の見解をまとめている。

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