パレスチナ人の苦しみにハリス氏「沈黙しない」…イスラエルへ圧力を強める兆候と受け止め
読売新聞 / 2024年7月26日 23時33分
【ワシントン=池田慶太】パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘を巡り、米大統領選で民主党の候補指名獲得が確実視されるカマラ・ハリス副大統領が、パレスチナ寄りとも取れる発言を重ねている。イスラエル配慮が目立つバイデン大統領の対応が民主党支持層の分裂を招いていることを踏まえ、大統領選に向けて外交姿勢を軌道修正するとの臆測も出ている。
ハリス氏は25日、訪米中のイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と会談後、記者団にパレスチナ人の苦しみについて「沈黙しない」と述べた。米国内での即時停戦を求める抗議活動の活発化を踏まえ、「私は見ている。そして声を聞いている」とも語った。
こうした発言は、バイデン政権の政策からは逸脱しないものの、ハリス氏が大統領に就けばイスラエルへの圧力を強める兆候とも受け止められている。ハリス氏は24日のネタニヤフ氏による米連邦議会での演説も遊説を理由に欠席し、ガザ侵攻に反発してボイコットした多くの民主党議員に同調する形となった。
昨年10月の戦闘開始以降、イスラエルに軍事支援を続けるバイデン氏に対し、米国内では民主党を伝統的に支持するアラブ系やイスラム教徒らの反発が強い。
大統領選では、アラブ系が多い激戦州のミシガン州などでトランプ前大統領との僅差の戦いが予想される。ハリス氏にとって支持層の親パレスチナ感情に配慮せざるを得ない面がある。
一方、ハリス氏は25日、ワシントンの駅前で米国旗を燃やした親パレスチナの抗議デモ参加者を非難する声明を発表し、「卑劣」で「非愛国的」な行為だと述べた。イスラエルを支持する伝統的な民主党支持層もいて、ガザ対応を巡っては難しいバランスが求められそうだ。
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